FC東京が鬼門だった敵地での磐田戦に1-0で勝ち、4戦ぶりに首位に浮上した。

PKによる1点を守りきった。ラグビーW杯開催による変則スケジュールでアウェー8連戦を強いられたが、最後は3連勝締め。首位で約3カ月ぶりのホームに戻ることになった。横浜は4連勝で勝ち点1差の2位。川崎Fが前節首位の鹿島を破った。優勝争いは首位東京、2位横浜、3位鹿島、4位川崎Fの4チームに絞られた。

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東京が約3カ月の長いアウェー8連戦を戦い抜いた。最終戦となった最下位磐田戦は押され気味の展開。U-22日本代表DF渡辺が負傷退場するなどアクシデントもあった中、後半8分のFWディエゴ・オリベイラのPKによる1点を守りきった。MF橋本から絶妙なロングパスを受けたDF室屋がペナルティーエリア内で反則を獲得。2人の日本代表がゴールをこじ開けた。アウェー磐田戦の勝利は09年以来7戦ぶり。橋本は「前半からスペースを狙ってくれと(室屋)成に言われていたので」と、落ち着いた表情で振り返った。

リーグ史上初の変則日程。DF森重は「毎週試合が詰まっていたわけではない」と頼もしいが、日本代表の活動のたびに複数人の主力が不在となった。8連戦中では松本に引き分け、続く鳥栖に敗戦と下位クラブに勝ちきれず、1度は首位から陥落。ずるずると勢いを失ってもおかしくないタイミングもあった。

揺らがない一体感があった。2日の大分戦前には選手が都内の焼き肉店で決起集会を開催。経験豊富な前主将の森重が発案し、出場機会の少ない選手会長のFW矢島を中心に声をかけて回った。練習場ではチーム最年長のDF丹羽が最後まで居残ってランニングを続けている。MF東主将は「全員がチームを第一に考えている。それができずにフェードアウトするような選手は今のチームにはいづらいと思う」。後半戦で失速した昨季とは違った。

8連戦を4勝2敗2分けと好結果で乗り切り、長谷川監督は「タフだったが、気持ちを出して頑張ってくれた」と選手をたたえた。上位4クラブに絞られたのタイトル争いで、優勝未経験は東京だけだ。FW永井は「1つ落とせば(順位は)ひっくり返る。残り3つと考えず、目の前の試合をクリアしたい」。浮足立つことのない挑戦者が堂々の首位で、長く留守にしたホームに帰る。【岡崎悠利】