ヴィッセル神戸の“鹿島キラー”ことFW藤本憲明(30)が15日、16日の鹿島アントラーズ戦(カシマ)へ向けて自信を見せた。この日は神戸市内で調整後、オンラインで取材に応じた。

「(周囲から)鹿島に強い、と言われたら、点を取らなあかんから、プレッシャーになるのでやめてほしい」と苦笑いしつつ、前節8日の本拠ベガルタ仙台戦で、今季初ゴールを6試合目の出場で決めた。後半残り、わずか9分間での仕事だった。

調子は確実に上向きになっており、19日に31歳の誕生日を迎えるベテランは「(仙台戦で)やっとゴールを決められたという感じ。いい流れで臨めると思う。(鹿島との相性は)たまたまの感じの方が強いが、そう言っていると鹿島にとっても、苦手意識が心理的に働くかもしれないし、いいかなと思う」と胸を張った。

昨年2月の開幕戦は大分トリニータで迎え、鹿島から全2得点を挙げた。8月に神戸に移籍し、11月の対戦でも1得点。今年元日の天皇杯決勝でもオウンゴールを誘発するなど、1得点を含めて全2得点に絡んだ。ヒーローインタビューで「ラッキーボーイです、最高です」と叫び、新たに完成した国立競技場の事実上の第1号得点者は、感無量の表情だった。

「19年シーズンは鹿島に始まり、鹿島で終わる」と宣言していた通り、すべて藤本の在籍した大分と神戸が、実際に藤本のゴールで鹿島に勝っており、“鹿島に強い男”のイメージは定着した。

今回は先発の可能性が高いが、藤本は「出場時間が少ない中で、ゴールを決められるようにしておきたい。常にいい準備といいイメージを持っておきたい。(調子は)ボチボチかな」と冷静だ。

鹿島の印象は「最近は勝ってるイメージがあるし、うちにとってアウェーなんで、どういう展開になるか。こっちが球を握りながら進めたい。鹿島は4バックなんで(サイドバックが上がってくれば)裏があいてくるし、そこを狙っていく共有はできている。サイドからの攻撃が中心になってくる。僕が(ゴール前に)上がった時は、しっかり合わせられるようにしたい」と気を引き締めた。

フィンク監督が「優勝はあきらめない」と宣言しているように、藤本のゴールで現在10位の神戸にとっては大逆襲の夏をスタートさせたい。【横田和幸】