川崎フロンターレは21日、今季限りで現役を退く元日本代表MF中村憲剛(40)の引退セレモニーを本拠地の川崎・等々力陸上競技場で開いた。

クラブの顔となった選手のセレモニーに際し、横浜FCのFWカズ、神戸MFイニエスタ、川崎フロンターレOBのジュニーニョ氏らがビデオメッセージを寄せた。その後は、ゆかりの選手が会場で、中村とのエピソードなどをまじえて現役18年間の労をねぎらった。

川崎F・FW小林 2017年に初めて優勝した時、一緒に抱き合って喜び合えた。この先、あれを超える感動は絶対にない。憲剛さんがいなかったら、今の僕はないと断言できるくらい、憲剛さんの存在は大きかった。

東京V・FW大久保「自分も引退かなと考えたところで、憲剛さんから引退の報告をもらい、とても寂しくて、心に穴があいた気持ちでした。13年に移籍してからはサッカーが本当に楽しくて、憲剛さんからのパスは大きな宝。「サッカーをやめたら歌手デビューしようか、まずは路上ライブでスタートしてやりたいね」と話したのを覚えています。デビュー曲の歌詞を考えていてください。自分はあと少し現役でやりたいと思っています。これからもともにJや日本サッカーを盛り上げましょう」

新潟FW鄭大世「どのクラブに行っても、初めましてのあいさつの次に『中村憲剛やばかったですか?』と聞かれる偉大な選手。4年半一緒にしのぎを削って誇りに思う。いろんなオファーもあったと思うけど、全ての力をフロンターレに注いだダイヤモンドのような硬い意思を本当に尊敬する。サッカー不毛の地と言われた川崎で、まばらな観客から、J最強と言われるところまで押し上げて辞めるのがかっこいい。映画になると思う。けちのつけようのない、一点の曇りもないあっぱれな幕引きに、おめでとうと伝えたい」

中央大・佐藤健監督「万が一フロンターレ以外のチームを推薦していたら、どうなっていたんだろうと思う。18年でこんなに飛躍するとは。大変なこともあったと思うが、こんなに愛され、励まされ、リーグ優勝を経験する選手になるとは、正直考えていなかった。これからの憲剛の人生が楽しみでしょうがない。憲剛がベンチに立っている姿を期待しながら応援したい」