「八戸の新守護神」としてJ2昇格に導く。J3は14日に開幕し、Jリーグ参入3年目のヴァンラーレ八戸はアウェーFC岐阜戦に挑む。今季は葛野昌宏監督(45)が3季ぶりに監督復帰し、選手15人が新加入。GK3人は全員が新加入組で、5年ぶりにJリーグ復帰のGK横山卓司(30)は「年齢はベテランの部類に入る。若い選手も多いので、後ろから底上げしていきたい」と、持ち味のコーチングでけん引していく。

横山は16年までJ3岩手に所属し、17年からJFLのラインメール青森でプレー。同年は葛野監督と1シーズンを戦い、「姿勢や精神的な部分は葛野監督から学んだ。そこだけはブレずにやってきた」と昨季は全15試合中、13試合出場でチームを支えた。同じ青森に本拠地を置く八戸の試合もよく観戦し「またJリーグでプレーしたいという思いはずっと持っていた」と、J復帰へ向上心を持ち続けた。

福島・会津美里町出身で、福島第1原発に近い富岡高から新潟医療福祉大に進学し、10年前の「3・11」は同大2年生で新潟市内で揺れを感じた。高校時代の友人には放射線の問題で地元に住めなくなった人もいる。東日本大震災から10年の年に運命のJ復帰を果たし、「J2昇格に向けて、八戸と被災された方のために、プレーしてチームの勝利に貢献したい」。昨季の八戸はリーグワースト3位の失点数が響いて15位に沈んだ。横山が守備陣を統率し、上位進出に導く。【相沢孔志】

◆横山卓司(よこやま・たくじ)1990年(平2)4月19日、福島・会津美里町出身。富岡高、新潟医療福祉大を経て、13年にJ3岩手に加入。17年からはJFLのラインメール青森でプレーし、今季からJ3八戸に加入。ポジションはGK。182センチ、76キロ。