福島が藤枝との開幕戦に臨み、スコアレスドローで勝ち点1をつかんだ。1月の全国高校サッカー選手権8強の昌平(埼玉)から加入したMF柴圭汰(18)が先発で“プロデビュー”し、後半41分に交代するまで存在感を見せた。

プロとして大きな1歩を踏み出した。高校を卒業したばかりの18歳は、初舞台でも持ち味の正確なキックで攻撃を展開。身長162センチと小柄でも、守備では競り負けずにボール奪取した。デビュー戦を終え「緊張もあったが、試合に入れば勝ちたいという思いが出て、思いっきりプレーできた」と振り返る。それでもJ1を経験した藤枝MF鈴木惇らとマッチアップし「経験値の差を痛感させられたので、より突き詰めていきたい」と前を向いた。

福島は前半、藤枝にロングボールを使った攻撃で押し込まれたが、後半は攻め込む時間帯を作った。同39分、昨季13得点のFWイスマイラがペナルティーエリア内でボールを受け、シュートするもGK正面。最後までネットは揺らせなかった。時崎悠監督(41)は「最後まで相手ゴールに向かって戦ってくれたことは誇りに思う」とたたえた。

次戦はホームでYS横浜と対戦する。東日本大震災から節目の10年に、福島でプロキャリアをスタートさせた柴は「僕たちができることはサッカーで福島や日本を元気にすること。福島に来たからこそ、より自覚を持って取り組みたい」。開幕戦には約1200人のサポーターが訪れた。少しでも早く白星を届けたい。【相沢孔志】