鍛え上げられたフィジカルを武器とする21歳の出番は2試合だった。1次リーグ南アフリカ戦で初出場。それまで2試合は控えだったが、先発に起用されて90分プレーした。スコアレスドローも勝ち点1を重ね、日本は決勝トーナメント進出を決めた。準々決勝ブラジル戦(2○0)は先制ゴールを挙げたFW大儀見に代わって、後半44分から出場した。

しかし、準決勝フランス戦(2○1)と金メダルをかけた決勝米国戦(1●2)はベンチから見守った。銀メダルを手にしても、当時のコメントは複雑だった。「すごいことを成し遂げたという気持ち。自分たちが続いていかないといけない。若い選手は心に誓ったものがあると思う。(決勝の)試合に出られなかった悔しさを生かしたい」。

今年3月25日、福島・Jヴィレッジにその姿があった。11年W杯優勝メンバーの1人として、東京五輪の聖火リレーの第1走者を務めた。現在も09年から所属するINAC神戸でプレーする30歳。鹿児島で行われている日本代表候補合宿に参加中だ。