浦和が、フランス1部マルセイユの日本代表DF酒井宏樹(31)の獲得に動いていることが9日、分かった。複数の関係者の話を総合すると、国内外からのオファーが届いたが、浦和が争奪戦で優位に立っているという。マルセイユとの現契約は22年までで、移籍金は約2億円とみられる。Jリーグの第2登録期間(ウインドー)は7月16日に開く。7月中のチーム合流を目指し、交渉の細部を詰めていく。

Jリーグ復帰が実現すれば、酒井にとっては9年ぶり。浦和にとって、酒井加入で戦力がさらに厚みを増すことは言うまでもない。主戦場は右サイドバック(SB)。日本代表でも長く不動の右SBとして君臨している。浦和の右SBは現在、日本代表招集歴もあるDF西が軸となっているが、西はボランチ、サイドハーフもこなすなど万能。オプションも一気に増える。チーム内にさらなる競争意識が生まれ、全体的な底上げにもつながる。

欧州の主要1部リーグで活躍する現役日本代表の主力が、欧州からのオファーを蹴って日本に戻ることは極めて異例。17年にはスペイン1部セビリアのMF清武がC大阪に復帰したが、浦和酒井の誕生となれば、それ以来、それ以上の超大物のJ復帰となる。浦和は9日、仙台に完勝し、8位まで順位を上げた。ロドリゲス新監督の下、チームの成熟度も増す。目標のACL出場へ。かねて動向を注視してきた酒井の加入を、その切り札としたい。