J2アルビレックス新潟が下位に沈むファジアーノ岡山にホームで0-1で敗れ、手痛い黒星を喫した。

首位から3位に順位を落とした。両チームとも1点が遠い、重苦しい展開となったが、後半23分、DFライン背後のスペースを突かれ、失点。ここ5試合で1勝1分け3敗と厳しい結果が続く。次節はDF舞行龍ジェームズ(32)が累積警告で出場停止。攻守の要を欠く中、21日アウェーのブラウブリッツ秋田戦に臨む。

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新潟は1点を追う後半アディショナルタイム7分、左CKをFW鈴木孝司(31)がヘディングで狙ったがポストに嫌われ、タイムアップとなった。アルベルト監督(53)は下位チーム相手にホームでまさかの敗戦を喫し、悔しさをにじませた。「前半の入り方が良くなかった。ゆったりとしたペースとなってしまい、多くのチャンスをつくることが出来なかった」。

1点が重い展開となった。序盤から高木善朗(28)と本間至恩(20)が流動的に左右のポジションを替え、チャンスをうかがう。最前線ではFW谷口海斗(25)と鈴木が2トップ気味で待ち構えた。だが、守備ブロックを敷く相手DF陣の前に連係した崩しや、スペースを突く有効な攻撃手段を見い出せず、最終盤まで決定機をつくり出せなかった。主将のDF堀米悠斗(26)は「最後のところの大胆さや思い切りが足りなかった」と唇をかんだ。

後半23分の失点シーンはオフサイドに見えた。指揮官は「明確な判定ミス。(試合結果を)審判が大きく左右した。残念だ」と嘆いた。選手は審判に詰め寄って抗議するが、VARがないJ2リーグで判定が覆ることはない。堀米は悔しそうな表情を見せながらも「あのような場面をつくったことが問題。もっと自分たちで出来ることがあったと思う」と同じミスを繰り返さないことが重要と話した。

開幕から13戦無敗で快走していたが、直近5戦は1勝1分け3敗と失速気味。今季初めて順位を3位まで落とした。それでも堀米は首位奪還へ「自分たちのスタイルを、チームとしてブレずに貫く」。アルベルト監督は試合後会見でこれまで控えてきた「昇格」のワードを初めて口にし、「サポーターの力を借りながら、全力でJ1昇格を目指したい」と語気を強めた。【小林忠】

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