青森山田出身のJ2FC町田ゼルビアDF藤原優大(20)は、2人の恩師のもとで再出発する。今季からチームを率いる黒田剛監督(52)は、言わずと知れた高校時代の指揮官。昨年まで青森山田中の監督を務めていた上田大貴アシスタントコーチ(37)は、藤原を同校にスカウトした張本人だ。J1浦和レッズから育成型期限付き移籍で加入し、中学、高校で師事した監督とプロの舞台で再会。今日19日、ベガルタ仙台との開幕戦(Gスタ)でプロ3年目のシーズンが始まる。

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藤原は背水の覚悟でプロ3年目に臨む。青森山田高時代の恩師・黒田監督が指揮官に就任した町田に浦和から育成型期限付き移籍で入団。「ここで成長しないと次はない」。選択肢は複数あったが、その存在は大きかったという。「(高校)3年間で学んだものは今に生きていますし、まだ学べることがある」と決断。「(同監督は)1つ1つの会話が深いし、すごく細かくて本当に詰めるところまで詰めるし、80、90とかで手を抜かない。しっかり100まで詰めて、それを言語化して伝えてくれる」と絶大な信頼を寄せる。

また、青森山田中で昨年まで監督を務め、小学6年の藤原をスカウトしたのが上田コーチだった。「中学校の3年間がなかったら高校でも活躍できなかったですし、上田さんのもとでやった練習や試合が今につながっている」。同コーチの存在も移籍を後押しした。

高校卒業後の21年に浦和に入団し、ルヴァン杯2試合に出場した。同年夏から相模原に育成型期限付き移籍し、J2で17試合出場。昨季はJ3で23試合1得点も「2年目で甘えていた部分があった」。心機一転、今季に挑む。

開幕戦は少年時代に応援していた仙台と対戦する。藤原は仙台ファンの父大輔さんに連れられ、ユアスタで試合観戦するのが3歳から毎年の恒例行事で、MF梁勇基(41)が憧れの存在だった。「今もチームにいる勇基さんもずっと見ていましたし、感慨深いというのはあります」。その上で「自分たちの方がチームとして成熟していると思うし、そこは自信がある」。勝負の年を最高の形でスタートする。【山田愛斗】