高校サッカー界の名将、黒田剛監督(52)のJリーグ初采配で、勝ち点1を手にした。町田ゼルビアがホームで迎えた開幕戦で、ベガルタ仙台と0-0で引き分けた。

青森山田で7度の全国制覇を成し遂げた黒田監督が掲げるのは、Jリーグでも変わらず「何でもできるサッカー」。町田のサポーターたちは「黒田ゼルビア 新たなる旅路を共に」と書かれた横断幕を前に応援し続けた。

前半29分、町田のスローインから抜け出たFWエリキが持ち運んで強烈なシュート。惜しくもクロスバーに弾かれたが、何度もショートカウンターから攻め込んだ。

同42分にはワンタッチパスでつなぎ、昨年のカタールワールドカップ(W杯)にも出場したオーストラリア代表FWミッチェル・デューク(32)がペナルティーエリア内右から技ありシュート。わずかにゴール上に飛んでいったが、得点の匂いを感じさせ続けた。

後半44分には、ロングスローから決定機を演出。敵陣深くからMF翁長聖(27)が勢いを付けて投げ込み、ペナルティーエリア内へボールを供給。こぼれ球をつなぎ、最後はDF池田樹雷人(26)がヘディングで合わせたが、わずかに枠を捉えられなかった。

ゴールは奪えなかったが、最初の勝ち点1を手にした。「新しい町田ゼルビアがどう変化し、どういう心意気で1年間戦っていくという姿勢とかモチベーション、闘志をサポーター、ファンの方に伝わるようなゲームにしたい」。初陣へ向けて熱い思いを口にしていた黒田監督。52歳の新たな挑戦は始まったばかりだ。

◆黒田剛(くろだ・ごう)1970年(昭45)5月26日生まれ、札幌市出身。登別大谷(現北海道大谷室蘭)-大体大。94年、青森山田のコーチに就任し、95年から監督を務め、23年、J2町田監督に就任。全国高校総体は05、21年優勝。全国高校選手権は16、18、21年度優勝。プレミアリーグEASTは16、19、21年、同ファイナル(旧チャンピオンシップ)は16、19年優勝。尊敬する人物は、元日本代表監督・岡田武史氏。家族は夫人と1男1女。血液型O。

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