生粋の点取り屋は乗りに乗っている。静岡学園の神田は今大会初戦となった浜名との準々決勝でハットトリックを達成。飛龍との準決勝でも2得点を挙げてチームを勝利に導いた。2試合で計5得点の活躍にも「まだまだ取れた部分はある」。ゴールへの強い欲はとどまることを知らない。

 

全国大会のピッチに立つことを目指してきた。一昨年冬の全国選手権ではフィールド選手の1年生でただ1人メンバー入り。だが、ピッチに立つことはできなかった。2年生エースとして臨んだ昨年は無冠。最終学年となった今年に懸ける思いは誰よりも強い。川口修監督(49)が指摘する課題の決定力は普段の練習から意識的に取り組んできた。神田は「FWとして練習から常に結果にこだわってやっている」と力を込める。

昨年は所属するプレミアリーグWESTでチーム最多の10得点。活躍が評価され、今年3月にはU-18日本代表候補合宿に参加した。今季もリーグ戦は7試合で5得点と挙げ、首位を走るチームの原動力になっている。体の強さや空中戦のバトルでは手応えを感じているようで、「プレミア(リーグ)の強度でも通用する部分はある。そこは自信になっている」。Jクラブの下部組織や全国屈指の強豪校との対戦を通じて、さらに自信を深めてきた。

対する清水桜が丘は堅固な守備が武器。厳しいマークを受けることも想定内で、「苦しい時に点を取れる選手になりたい」と神田。世代屈指のストライカーが自らのゴールで全国への道を切り開く。【神谷亮磨】