アルビレックス新潟レディースは日テレ・東京ヴェルディベレーザに2-3で逆転負けした。5試合連続負けなし(3勝2分け)で最終節を迎えたが、黒星でシーズンを終えた。前半2分にDF滝川結女(23)の右クロスをFW石淵萌実(27)が頭で合わせて先制するなど前半で2点のリードを奪いながら守れなかった。順位を上げるチャンスだったが、リーグ2年目は4勝4分け12敗の勝ち点16、10位だった。

右サイドで許した相手FKをしのぎ、ボールが左サイドを割ると長い笛が鳴った。2-0で前半を折り返すが、2-3の逆転負け。試合後の整列に加わる選手たちは悔しさをのみ込み、表情を消した。先制ヘッドを決めた石淵は「応援してくれる人たちに勝利を届けること一心でしたけれど、残念だった」と言葉少なだった。

前半は理想的な時間帯に得点した。前半2分に石淵が先制し相手の出ばなをくじき、押される時間帯が多くなっても同41分にMF上尾野辺めぐみ(37)が追加点を奪い、リードを広げた。しかし後半は相手の圧力に屈した。15分、16分の立て続けの失点で前半の貯金を吐き出し、最後は逆転を許した。「相手の圧力が強くて前に行けず、守れず、悔しい試合になった」と上尾野辺は振り返った。

順位は下から2番目の10位で終えた。開幕から14試合を1勝2分け11敗と低空飛行を続けた。ところが5月3日にINAC神戸レオネッサに勝つと、以降、5戦負け知らずの3勝2分け。村松大介監督(46)はガラリ変わった終盤の状況をこう説明した。「(リーグ前半は)勝ち点3を狙ってアグレッシブにトライさせた。盛り返した終盤はトライというよりできることを。現実志向になった」。

しかしホームでの最終戦で、その快進撃も止まり白星締めはならなかった。主将のGK平尾知佳(26)は「勝ちたい気持ちを持つ以上に技術、フィジカルを上げなければ」とチームの強化ポイントを口にしていた。【涌井幹雄】