筑波大がホームで国士舘大を3-1で破り、首位を堅持した。筑波大はこの日、開学50周年を迎え、前座試合にOBらによる記念試合を開催したり、キックターゲットのブースを出したりするなど、部を挙げてさまざまな企画を展開した。

同大小井土正亮監督は「もちろんゲームに勝ったということはいいことなんですけど、それ以上にこの試合に向けて、全部員が準備をしてきたので、それがまず無事に終わってほっとしてるっていうのは正直なところ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。さらに「スタンドの方を見ると、多くの方が駆けつけてくれて、みんなが立って応援するような時間もあったりして、非常にいい雰囲気をつくってくれた皆さんに感謝ですね」と続けた。

リーグ戦前には、蹴球部OBと大学のOB、OGによる「筑波オールスターズ」の開学50周年記念試合を開催。監督自身もプレーした。グランド脇のテントには、蹴球部の歴史を年表や、日本サッカー協会(JFA)田嶋幸三会長、アスルクラロ沼津中山雅史監督、名古屋グランパス長谷川健太監督、ブライトン三笘薫らのサインが展示された。

「田嶋会長も含めて筑波の先輩方が今の日本のサッカーの中枢を担っていますし、これまでの歴史をつくってきたのも先輩だったので、それを引き継ぐというよりも、我々がどんどん発展させていく使命を持っているので、その1つの節目として、今日の試合のプレーだけじゃない、運営のところとか、応援の振る舞いとか受付も含めたピッチ周りの部員の働きを見てましたけど、胸張って次の50年に向かうぞって言えるような1日だったなと思いますよね」

この日は山内翔主将(4年/神戸U-18)、角昂志郎(3年/東京U-18)、内野航太郎(1年/横浜Y)が中国・杭州で開催中のアジア大会に臨むU-22日本代表に招集されて、この日は不在だった。悪天候の中、フィジカルに優れ、「アミノバイタルカップ2023」を制した国士舘大に対して一歩も引かずに戦った。「本当に選手にとって自信になると思うし、例えばゲーム中に、ゲームハーフタイム3-0で帰ってきて、どんな感じかなと思ったら、『もっとやるぞ』ってキャプテンの山内がいない中、GKの高山(汐生)だったり、センターバックの諏訪間(幸成)だったりが声かけてるのを見ると、頼もしいなと思いました」。

アジア大会組の3人が一回り大きくなって帰ってくることに期待しているが、彼らにもレギュラーが保証されているわけではない。「競争してほしいですよね」。

熾烈(しれつ)なレギュラー争いがチームのレベルアップにつながっている。2位流通経済大との勝ち点差は3。「一戦必勝なんでね。下がすぐそこにいるので、次に向けてまたいい準備していくだけですね」。6年ぶり16回目リーグ制覇に向けて、慢心はない。

同部は、主催するホームゲームを「TSUKUBA LIVE!」とブランド化し、告知、当日の装飾、企画、運営、演出など全て行ってスポーツを通じた交流などを目指している。

この日は、トップチームが戦う関東大学サッカー1部リーグ国士舘大戦も含めて、「TSUKUBA LIVE!-NEXT50-」と題してさまざまな企画を展開していた。【佐藤成】