川崎フロンターレが過去9戦で1勝しかできなかった蔚山現代に1-0で勝利した。開幕2連勝でI組首位に浮上した。

ともに初戦をとって迎えた第2戦。前日会見で鬼木達監督が、「何が何でも勝つ」と強い覚悟を示した一戦を劇的な勝利で飾った。鬼木達監督は「どうしても勝たなきゃいけないゲームだと思って挑みました。アジアを取るためには蔚山を超えなければ難しいと思っていた。アグレッシブにどれだけ攻守に戦えるかということで(試合に)入りました。前半スタートから最後まで、選手は高い集中力で、得点なかなか入らなかったですけど、じれずにやり続けたことがすべてだと思います。選手に感謝しています」と選手をたたえた。

直近の9月29日のアルビレックス新潟戦は、ホームで2-3で敗れた。相手に気持ちよくプレーされ、フロンターレらしくない試合だった。「新潟戦で非常に難しいゲームになった。それは自分のマネジメントのところだったと思います。ただ今日のゲームでどう爆発させるか考えていた」と切り替えて蔚山戦に照準を合わせた。

指揮官は、今日の蔚山戦と8日の天皇杯準決勝、アビスパ福岡戦を「勝負の1週間」と位置づけた。「新潟戦からやれることをしっかりとやった。エネルギーをもっともっと躍動感にさせていってあげたいと思っていた。今日はもう全員が覚悟を決めて、やられても取り返す気持ちで挑んでくれた。次につながるゲームをしてくれた」とうなずいた。

蔚山は大きな壁だった。21年は決勝トーナメント1回戦で0-0からのPK戦で苦杯をなめ、昨季は1次リーグで1分け1敗。唯一の勝利は、9年前の14年4月で、鬼木監督就任後は7戦勝ちなしだった。

「自分がずっと負け続けていたということなので、そこのACLへの気持ちみたいなものが、もしかして負け続けていたっていうことは自分の中に足りなかったのかもしれない」と振り返る。

その上で、「今日だけでなく初戦ジョホールのアウェーが重要だっていうところで勝って、アジアを本気で制覇しようと思う中で、(蔚山は)超えていかないといけないので非常にうれしく思います。『蔚山に勝ったから』というのはそこまでないですけど、ただ自分たちが目指しているものに一歩ずつ近づいているっていう意味では喜ばしいです」。

悲願のACL制覇へ、好スタートを切った。【佐藤成】