J3のFC大阪がJリーグに申請していた、来季のJ2クラブライセンスが24日、不交付となった。

Jリーグが発表したもので、現在J3で5位につけるFC大阪は、今季残り6試合でJ2自動昇格圏の2位(鹿児島)とは勝ち点6差で逆転圏内だったものの、これで成績に関係なく、来季のJ2昇格の夢が絶たれたことになる。

不交付の理由は、J2クラブライセンス取得に義務付けられた、下部組織の「U-15(ジュニアユース)チームが未充足のため」だった。

15歳以下のジュニアユースチームは現在、FC大阪には存在しないものの、来季からの発足が決まっていたという。

現時点で入団が内定した17選手は、一部をのぞき、15日に行われた本拠地でのFC岐阜戦前、サポーターらに入団のあいさつも済ませていた。年内に練習をスタートさせ、来年2月の公式戦出場へ準備を進めている状況で、Jリーグにもその旨は報告、相談していたという。

それだけに、近藤祐輔社長(37)は、クラブを通して「アカデミーのライセンス基準に対して、リーグの指導のもと進めてきたのにもかかわらず、今回の理事会での不交付となったことは、我々にとって納得のいくものではありません」と複雑な思いを明かした。

その上で「今回のことを真摯(しんし)に受け止め、FC大阪はここで立ち止まらず、J2クラブライセンスにおける課題を解決し、さらなる飛躍を目指して挑戦して参ります」ともコメントした。

FC大阪は東大阪市に拠点を置き、ラグビーの聖地で有名な花園ラグビー場を本拠地にする。昨季まではJFL所属で、今季から大阪ではガンバ、セレッソに続く3番目のJクラブとなり、1年でのJ2昇格を合言葉に快進撃を続けてきた。

残り6試合の時点でJ3では全20チーム中、13勝9分け10敗で5位にいる。かつて名古屋グランパスなどでコーチ経験のある志垣良監督(43)が今季から就任し、4-4-2システムで攻守に規律のあるサッカーを展開していた。

その中でも、京都サンガなどでJリーグ経験の豊富なGK永井建成(28)が中心となり、失点数はリーグ2位の堅守を誇っている。

今回J2クラブライセンスを申請したJ3の11クラブのうち、不交付はFC大阪だけだった。現在4位のFC今治、6位のアスルクラロ沼津、7位の奈良クラブなど10クラブへの交付が決まった。

FC大阪には引き続き、J3クラブライセンスは交付された。近藤社長は「昇格についても決して諦めることなく、クラブ一丸となって最後までJ3優勝を目指してまいります」などと決意表明した。今回の判定により、FC大阪は最短で25年シーズンでのJ2昇格を目指すことになる。