J1アルビレックス新潟は18日、沖縄・比屋根でキャンプ4日目の練習を行った。午前は9対5のパスワークや、7対7のミニゲームを中心に約1時間20分、汗を流した。早大から新加入のDF森璃太(もり・りいた、22)は推進力を生かした攻撃参加と正確な両足クロスをアピールする。キャンプ2日目の16日に実施した20メートルのスプリント測定では、チーム1の数値をたたき出した。最終ラインから矢のように前線に飛び出す韋駄天(いだてん)が、サイドバックのポジション争いを激化させていく。

   ◇   ◇   ◇

大卒ルーキーがチームに新風を吹き込む。この日の午前は9対5や7対7などパスを回しながら心拍数を高めるトレーニングを短い時間設定で何度も行った。その中で森はボールを受けることを嫌がらず、味方選手と連係しながらつながり続けた。23年は新潟の特別指定選手として練習参加していたが、「改めて新潟のプレースピードや強度は高いと感じている。時間は必要かもしれないが、慣れていきたい」と充実した表情で汗を拭った。

試合終了までスピードを落とさず攻撃に参加する“越後の韋駄天”は両サイドバックでのプレーが可能。16日のフィジカルテストでは20メートル走2秒7。スタート地点から5メートルの初速スピードは0秒8をマークした。プロ初キャンプに「(体は)きつい」と苦笑いを浮かべるが、チーム1のスプリント力に「自分のストロング」と胸を張る。

出身の川崎フロンターレU-18でも背後への飛び出しで勝負するタイプだったが、大学4年間で走る姿勢、筋肉の鍛えるべき部位を研究。突き抜ける走力を身につけた。腿(もも)を高く上げる独特のフォームでグングン加速。ボールを受けた後の両足クロスの精度も高く、大学4年時は主に左サイドバックでプレーし関東大学リーグ2部のアシスト王(11アシスト)に輝いた。「利き足は右だけど、左も苦手意識はない」。

5つを超えるプロクラブからオファーが届いたが、「ここで成長したい」と新潟入りを決めた。プロ1年目は堀米悠斗(29)、藤原奏哉(28)、新井直人(27)、長谷川巧(25)と定位置を争う。「自分にしかないストロングを出し、新潟の新しいサイドバックとして競争していく」。最大の武器である走力と、高精度キックでアピールしていく。【小林忠】