山形は24日、宮崎市・シーガイアで広島と練習試合を2試合行った。キャンプ中、最初で最後のJ1クラブとの対戦は0-1、2-4で敗れた。1試合目は開幕戦(対川崎F=3月5日)を見据えたメンバーで構成。課題の高い位置からのプレスが効き、広島を苦しめた。後半30分にMF森崎浩司(29)に許したゴールはレベルの高さを痛感した失点となり、新たな課題も見えた。今日で宮崎キャンプを打ち上げ、最終調整をする静岡へ移動する。

 課題は徐々に乗り越えている。山形は開始直後から、広島の3バックに厳しいプレスをかけた。19日のJ2大分との練習試合で挑戦し、結果を出せなかった戦術だった。この日はMF宮沢、FW長谷川、FW北村を中心に、最終ラインでボールをまわす相手を追い回し、ジリジリと焦らせた。小林伸二監督(50)も「高い位置でのプレスが効いてたね。前回よりすごく良かったと思うよ」と選手をたたえた。

 ただ、やはり相手はJ1トップクラスだった。日本代表FW佐藤が、後方からのパスをダイレクトで浮き球にして戻すと、今度はMF青山がダイレクトで前線に展開。得点にはつながらなかったが、高速かつ大胆な攻撃に翻弄(ほんろう)された。失点した後半30分には、クロスを中央で元グルジア代表MFムジリが直接折り返し、詰めていたMF森崎浩に押し込まれた。いずれも攻撃力に勝る広島に屈した。DF園田は「うまくかわされての失点。開幕までに細かい部分を修正しないと」と反省していた。

 「明暗」ともに見えた。小林監督は「負けたけど、J1のレベルも痛感できて良いゲームだった。あとは誰を使うか」。開幕戦のオーダーをイメージしていた。【湯浅知彦】