J2札幌のMF宮沢裕樹(21)が、最後の練習試合で開幕スタメン生き残りをかける。チームは今日26日、大分市内でJ2大分と練習試合を行う。22日の仙台戦は左足首負傷のため控え組で出場したMF宮沢だが、今回は先発トップ下で出場する。同ポジションの新外国人MFアンドレジーニョ(26)が負傷離脱している間に、一気に定位置を奪取する。

 宮沢がラストチャンスで石崎監督に猛アピールする。「開幕前最後の試合なので勝ちにこだわりたい。まず練習でやってきたことを出し、その上で自分の特長も出していけたら」。自身初実戦だった17日の熊本戦では主力組で出場も左足首負傷で途中交代した。前回の22日仙台戦はケガ明けとあって控え組での出場。不完全燃焼だった2戦分を一気に取り戻す。

 アンドレジーニョとのトップ下抗争にもケリをつける。右内転筋痛を抱える助っ人MFは回復が遅れ25日の練習もランニングのみ。大分戦は欠場が決まっており、1歩先に出るには絶好のチャンスだ。この日の宮沢はセットプレーからの得点パターンを確認するなど、武器である高さもアピール。「今年は同じポジションにライバルが多い。やるべきことをしっかりやらないと試合に出られない」と気を引き締めた。

 大分戦ではMFブルーノとの「BM」Wエンジン熟成も目指す。2人ともボランチ、トップ下をこなせるだけに互いに縦の関係を入れ替えることも可能だ。17日の熊本戦ではブルーノの左クロスから宮沢が得点するなど相性も良く「ブルーノとうまくコミュニケーションをとってかみ合えるようにしたい」と意気込んだ。偶然にも1トップには愛車がBMWの内村が入る。BMラインから速さのある内村への連係で、スムーズな得点パターンを築いていく。

 一昨年はボランチ挑戦、昨季は背番号10への変更。石崎体制3年目に入り、目指すスタイルは体にたたきこんできたつもりだ。それでもまだ試合ごとにムラがあるのが弱点。能力は高いだけに石崎監督もあえて「シュン(岩沼)はミスをしないが(宮沢)裕樹はミスしかしない」と厳しい言葉をぶつける。現代サッカーに10番の特権はない。2季連続の開幕スタメン奪取には確実かつ決定的なプレーが条件。助っ人加入で激しいトップ下争奪戦だが、最後は実力と結果で生き残るしかない。【永野高輔】