日本代表MF鎌田大地(26=アイントラハト・フランクフルト)が攻めの発言で自らにハッパを掛けた。

29日の全体練習後の取材対応で「僕自身はもっと出来る」「間違いなく出来る」と強気な言葉を連発。ぶれない姿勢の裏には、見守ってくれる家族の存在がある。現在J2仙台でプレーする5歳下の弟大夢(ひろむ)にとっては、人として選手として尊敬する兄。一番身近で応援してくれる存在のためにも、強豪スペインが相手でも、負けるわけにはいかない。

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鎌田がよどみなく、強豪スペイン戦へ、攻めの言葉を繰り返した。

「(自分の)2試合のプレーは納得していない。失望している。僕自身はもっと出来ると分かっている。間違いなく出来る」。

2戦連続のフル出場も、自分が許せなかった。特に27日コスタリカ戦。ボールを支配するも、敗戦という結果だけが残った。

「僕の今のレベルで通用しない相手ではない。自分に対しての自信はある。今までやってきたことへの自信もある」。

強気な姿勢は地道に続けてきた努力の表れ。そして大事な弟の存在も支えとなっている。J2仙台でプレーする弟の大夢。ずっと背中を追われてきた。

「昔からの自分の夢であった海外で活躍すること、W杯に出ること、自分の夢をかなえている。お兄ちゃんみたいになりたいというあこがれがあります」と大夢。昌平高時代は「鎌田の弟」として取材をされることが嫌だった。しかし、自らもプロになり、兄のすごさを肌身で実感。「鎌田の弟」を自然と受け入れることができたという。

今年2月、鎌田は新築の2階建ての家を両親にプレゼントした。「親に家をプレゼントしてあげて、帰ってきた時に一緒に旅行に行ったり。すごく家族を大事にしています」と大夢。クールな表情に誤解されがちだが、隠された熱く、温かい心が兄にはあると知っている。2階建ての家には「いやすごかったです…」と思わず驚嘆。「ひねくれてる感じはあるけど、優しいです」と話す。

大夢からは「あの舞台に立てる選ばれた選手なので、一番はその舞台を楽しんでほしい。あとは…ちゃんと頑張って守備をやってくれればいいかなと思います(笑い)」とエールを送られた。活躍を願ってくれる家族のためにも、弱気な姿は見せられない。

鎌田は断言した。「この世界は結果が全て。自分たちでどっちにも変えられる。自分たちの手の中に、チャンスはある」。チームのためにも、スペイン戦で最高のプレーを見せるだけだ。【磯綾乃】