バイエルン・ミュンヘンのファンに対し、アリアンツ・アレーナ周辺の地元住民の怒りが頂点に達した。

 大衆紙「ビルト」によると、ミュンヘン郊外に建設されたアリアンツ・アレーナが2005年にこけら落としを迎えて以降、同スタジアムから南へ3キロ圏内の住宅街で、違法駐車が深刻化しているという。

 同紙が地元住民に聞き取り調査を行った結果、8歳の頃から周辺に住んでいるという販売員のペトラ・ファイトさん(54歳女性)は「試合がある日には誰も家に招待できないの。駐車禁止の標識はもともとあるのに、サッカーファンがみんなこのへんに車を停めていくから」と愚痴をこぼし、ルーカス・シュパニアーさん(22歳男性)は「僕の家にはガレージがあるんだけど、試合が行われる日には(違法駐車が出入り口をふさぐため)そのガレージを使えないんだ。サッカーファンが違法に停めた車が、緊急車両の出入り口をふさぐことすらある」、クラウディア・ムンノさん(46歳女性)も「私たちの生活はBミュンヘンの試合に大きく左右されていたの。買い物、その他外出、お客さんが自宅に来る予定など、私たちはその日が試合日じゃないかどうかをすごく気にしていたわ」と、いずれも嘆き節が止まらない。

 そんな状況に終止符を打つべく、ようやくミュンヘン市が真剣に向き合いだした。今年初めに市民と話し合いの場を設けた際、この問題を知ることになったディーター・ライター市長は「周辺地域での違法駐車がこれで終焉を迎えてくれれば。いずれにしても、関係各所と協議した結果、解決策を見出すことができて良かった」と語っており、被害が特にひどいエリアで計8箇所を通行禁止に。Bミュンヘンもまた、駐車場を探すファンがスタジアム地下パーキングエリアまで辿りつけるよう、行き方を指南する監視員を周辺に配置する予定だという。

 なお、この措置がスタートするのは、Bミュンヘンがアリアンツ・アレーナにホッフェンハイムを迎える、ブンデスリーガ1部開幕戦当日。キックオフ3時間前から該当エリアには立て看板が置かれ、地元住民以外は完全立ち入り禁止となるようだ。