【ワシントン(米国)22日(日本時間23日)=岡崎悠利】レアル・マドリード所属の日本代表FW久保建英(18)が、トップチームへの第1関門を突破したようだ。20日のインターナショナルチャンピオンズ杯のBミュンヘン戦でデビューした久保は、北米ツアー後はBチームのカスティージャへの合流が既定路線だが、ジネディーヌ・ジダン監督はスペイン帰国後もトップチームに同行させる可能性に含みを持たせた。23日(日本時間24日午前8時)のアーセナル戦を含めた残り2試合が、久保の今季に影響しそうだ。

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18歳の日本人が見せたプレーは、確かに指揮官の脳裏に残った。アーセナル戦の前日会見に出席したジダン監督は、久保について「練習もいいし(試合で)プレーすることを怖がっていない」と評価した。Bミュンヘン戦は冷静な久保も「試合前は雰囲気を感じた。時間がたつにつれて現実になってきたというか」と振り返る、特別な緊張があるデビュー戦だった。だが常々口にする「ピッチに立てば関係ない」という姿勢は、指揮官にも伝わった。

それだけではなさそうだ。久保は今季は3部リーグ相当のカスティージャでプレーすることになっているが、ジダン監督は「次に何が起こるかわからない」と門戸を閉じることをしなかった。久保を見極めるために北米ツアーに同行させたのは指揮官の意向。カナダでのキャンプからここまでで、評価は上昇している。

現時点では、久保は北米ツアー後にカスティージャに合流予定。ただジダン監督は「マドリードに戻って、何が起こるか見る」と言葉を選んだ。トップチームは大会後さらにドイツでトットナム(イングランド)などと2試合のプレシーズンマッチを控える。スペインリーグ初戦が8月19日(対ヘタフェ)と迫っており、直前の遠征にも続けて同行となれば、トップチーム入りの可能性が広がる。

Bミュンヘン戦ではキラーパスやドリブルで攻め上がるだけでなく、大きく手を動かし誰彼かまわず指示を出す姿が目立った。主力組との総入れ替えで出場したデビュー戦だったが、メンバーが交ざっていくここからが生き残りをかけた次なる関門だ。まずは残る2試合。近づくほど厳しくなるトップチームへの道を、久保が歩んでいく。