サッカー日本代表主将のDF吉田麻也(33)のドイツ1部シャルケへの移籍が5日、決まった。同クラブが発表した。クラブの公式ツイッターに、「MAYA YOSHIDA」との大きな文字ともに、「NEW」、そして書面にサインする絵文字がアップ。暗闇から吉田が登場する動画で紹介された。

その後、日本語で「シャルケへようこそ、吉田麻也!」と来年6月30日までの1年契約での加入を伝えている。過去に内田篤人氏、板倉滉がプレーしている。

公式サイトによると契約は、1年の延長オプション付き。クラブ幹部は「マヤは私たちのチームで重要な役割を果たすために必要なすべてを持っています」と語っている。

吉田は動画で「3人目の日本人としてシャルケに加わることが決まりました。前の2人に負けないように、僕も精いっぱい、このチームに貢献できるように頑張ります」と日本語で抱負を語っている。

公式サイトには「長い間、ブンデスリーガを非常に興味深くフォローしてきた。ようやくこのクラブの一員になれた。うれしく思う」などというコメントが掲載された。

吉田が初めて海外でプレーしたVVVフェンロ(オランダ)は、シャルケの本拠地から車で約1時間と、近い。盟友の内田篤人氏がプレーしていたこともあり、身近に感じ、かつ、あこがれたクラブだった。

「シャルケのユニホームを着られることを、本当に喜んでいる。だいぶ前になるが、内田篤人が右サイドバックでプレーしていた時、1度試合を見るために(シャルケの本拠地)フェルティンス・アレーナに足を運んだ」という思い出も明かしている。

吉田は契約満了に伴い、6月末でイタリア1部(セリエA)のサンプドリアを退団。所属クラブがなくフリーの立場で新天地が注目されていた。

日本の名古屋グランパスでプロになった吉田にとって、VVVフェンロ(オランダ)、長くプレーしたサウサンプトン(イングランド)、サンプドリア(イタリア)に続く4カ国目のリーグとなる。

これ4大リーグのうちでスペインを除く3つでプレーすることになる。リーグ開幕戦は8月7日(日本時間8日)。アウェーでのケルン戦となる。

11月開幕のワールドカップ(W杯)カタール大会に向け、日本代表主将は1次リーグで同組、11月23日の初戦で戦う強豪ドイツの人気クラブでプレーし、自身3度目のW杯に向かうことになる。

シャルケは、昨季2部で優勝し1部復帰を果たした。かつて吉田の盟友、内田篤人氏も所属した同国屈指の人気クラブ。昨季は日本代表の吉田の同僚、板倉滉(ボルシアMG)もプレー。クラブカラーは青と白。日本でもなじみの深いクラブといえる。

これでW杯イヤーの新シーズン、吉田や板倉、さらに遠藤航(シュツットガルト)ら日本代表の主力が多く、ドイツ1部でプレーすることになる。大事なW杯初戦を戦う相手。その国のリーグ、ハイレベルな真剣勝負の場で日本代表がプレーすることは、史上初の8強入りを目指す森保ジャパンにとっても大きな利点となりそうだ。

吉田は6月の日本代表の国際親善試合4試合を戦った後、日本で自主トレーニングなどを続けていた。4日に羽田空港から自宅のある英国へ。その際には、「W杯に向けたスタートです」と、笑顔でひとまず、拠点の欧州に向かった。ドイツのサッカー関係者によれば一夜明けた5日、シャルケの本拠地ゲルゼンキルヘン入り。現地で契約に向けたメディカルチェック(身体検査)を受け、契約の詰めの作業を行い、サインに至った。

◆吉田麻也(よしだ・まや)1988年(昭63)8月24日、長崎県生まれ。名古屋の下部組織から07年にトップ昇格。10年1月にオランダのVVVフェンロに移籍。12年8月からは英プレミアリーグのサウサンプトンでプレー。20年1月末にセリエAのサンプドリアに移籍した。五輪は08年北京、12年ロンドン、21年東京の3大会に出場。10年1月に日本代表に初招集された。国際Aマッチ通算119試合12得点。W杯は14年ブラジルと18年ロシアの両大会を経験し、現在は主将を務める。日本プロサッカー選手会(JPFA)会長でもある。189センチ、87キロ。愛称「マヤ」。

◆シャルケ04 1904年創設。ドイツ国内屈指の人気を誇るクラブ。ブンデスリーガ7度、ドイツ杯5度、ドイツリーグ杯1度優勝。本拠地フェルティンス・アレーナは6万2000人超収容。ライバルのドルトムントとの対決は「ルールダービー」と呼ばれ、驚異的な盛り上がりをみせる。過去に内田篤人氏、板倉滉がプレーした。