ワールドカップ(W杯)カタール大会前の最後のスペイン1部リーグでの試合となったセビリア戦で、公式戦4試合ぶりに戦列復帰した日本代表MF久保建英(21=レアル・ソシエダード)に対し、スペインメディアの評価は大きく分かれた。

Rソシエダードは9日、アウェーで行われた第14節セビリア戦に2-1で勝利し、リーグ戦4試合ぶりの勝利を達成。久保は左肩脱臼のけが明け後、2試合続けてベンチスタートになったが、FWカルロス・フェルナンデスが試合開始直後に負傷したため、前半10分から途中出場した。

セビリアに退場者が2出る中、久保は左サイドからクロスを入れて味方の決定機を何度も演出し、自らも積極的にゴールを狙い最後までプレーした。

Rソシエダードの地元紙エル・ディアリオ・バスコはこの日の久保について、「足元でボールを持った時、最も突破力のある選手だった。チャンスを3回作り、セルロートとシルバに良いパスを出した。また何度もオフサイドになった」と寸評し4点をつけた(最高5点)。チームトップはブライス・メンデスで最高の5点。レミーロ、ミケル・メリーノ、セルロートが久保と並ぶ4点だった。

一方、スペイン紙アスは両チーム合わせて最多となる4本(枠内1本)のシュートを打つも決め切れなかった久保に対しチーム唯一の最低点をつけ、マルカ紙の評価は1点だった。

久保のスペインリーグ成績は12試合(先発10試合)、849分出場、2得点2アシスト。スペインリーグで4試合ぶりの勝利を挙げたRソシエダードの成績は14試合8勝2分け4敗の勝ち点26で、暫定ながら3位に浮上している。

Rソシエダードはこの後、13日に国王杯1回戦でスペイン6部のカサレガスと対戦し、中断期間を迎える。チームから現時点でW杯参加が決まっているのは久保のみ。また大会終了後、来月下旬にスペインリーグが再開する。(高橋智行通信員)