オーストラリアとニュージーランドで行われているサッカーの女子FIFAワールドカップ(W杯)は1次リーグが終了し、16強が出そろった。
今大会から参加チーム数が24から32に拡大。初出場も8カ国を数えたことで、一方的な試合が増えて大会の価値を下げるとの懸念もあったが、1次リーグH組では2度の優勝を誇るFIFAランキング2位のドイツが初めて1次リーグで敗退し、初出場の同72位モロッコが決勝トーナメント進出を決めるなど波乱の多い大会になっている。
B組では東京五輪金メダルの同7位カナダが敗退し、同40位のナイジェリアが1次リーグ突破。F組でも同8位のブラジルが7大会ぶりに1次リーグ敗退となり、首位通過した同5位フランスとの初戦に0-0で引き分けた同43位のジャマイカが3試合連続無失点で決勝トーナメント進出を決めた。
男子のW杯でモロッコとサウジアラビアを率いた経験のあるフランスのルナール監督は「女子の試合のレベルが一段階レベルアップしている証拠」と話した。FIFAランキング下位の国のレベルが急速に高まり、強豪国との格差は縮まっている印象だ。
男子のW杯も次回26年大会から出場枠が32から48に拡大する。大会の価値を下げると、この決定を疑問視する声は根強い。ただ、出場枠が3枠拡大する欧州では22年カタール大会の出場を逃した実力上位のイタリア、世界屈指のFWハーランド(マンチェスターC)擁するノルウェー、南米ではコロンビア、チリなどが26年大会から出場権を得る可能性が高まる。
確かに1次リーグでは実力差のある対戦が増えるかもしれないが、16強、8強と進めば魅力的なカードがこれまで以上に増えるという見方もできる。22年カタール大会も準々決勝がオランダ-アルゼンチン、イングランド-フランスなどの好カードとなり、メッシのアルゼンチンと、エムバペのフランスの決勝は大いに盛り上がった。
今回の女子W杯では、史上初の3連覇を狙うFIFAランキング1位の米国が1勝2分けでE組を2位通過。過去2大会のように1位通過はできなかった。無失点の3連勝でC組を1位突破した日本(FIFAランキング11位)は5日の決勝トーナメント1回戦でノルウェー(同12位)に勝てば、準々決勝で米国とぶつかる可能性がある。それは女子W杯の決勝で唯一、複数回の対戦があった「好カード」となっている。【石川秀和】

