<コンフェデレーションズ杯:スペイン0(7PK6)0イタリア>◇準決勝◇27日◇フォルタレザ

 W杯王者スペインが、イタリアと0-0からのPK戦を制し、初の決勝進出を決めた。前半はイタリアが猛攻、後半以降はスペインが主導権を握ったが、ともに得点を挙げられず延長でも決着しなかった。PK戦では、イタリアの7人目DFボヌッチが外し、スペインFWヘススナバスが決め、死闘にピリオドを打った。スペインGKカシリャスがマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)。30日(日本時間7月1日)の決勝でブラジルと対戦する。

 イタリアの「カテナチオ」と速攻に苦しんでも、GKカシリャスがゴールの前に立ちはだかった。前半17分、同36分とイタリアMFマッジョと1対1の決定的場面。守備ラインの裏に抜け出し放ったヘディングシュートを、鋭い出足ではね返した。

 失点の危機を乗り越え、王者スペインは失いかけた自信を取り戻した。後半以降は、持ち前のパス回しが復活。再三、イタリアゴールを脅かした。PKでは、先攻のイタリア選手が次々にキックを成功させたが、スペイン選手は、7人全員がゴール隅に決めていった。7-6のしびれる決着も、W杯、欧州選手権を制した王者の経験で、イタリアを上回った。

 「イタリアの出来が非常に良く、本当に厳しい試合だった。本当に疲れた」とカシリャスは、決勝進出に胸をなで下ろした。所属するRマドリードでは、モウリーニョ前監督との確執から、約5カ月間出番がなかった。それでも、代表に戻れば、キャプテンマークを巻き、豊富な経験でチームを落ち着かせた。何より、大事な試合で起用し続けたデルボスケ監督の恩に、この試合のMOMで報いた。

 決勝で地元ブラジルと対戦する。相手は1日早く試合を終え、スペインは120分とPK戦まで戦った。試合間隔も1日短いハンディを負うが、カシリャスは「言い訳にはしない」と言い切る。デルボスケ監督は「マラカナン競技場で戦うのは誰にとっても夢。そこでブラジルと戦うのは大変だが、いつも通り戦いたい」と決勝を見据えていた。

 ◆スペインの公式戦不敗記録

 10年W杯南アフリカ大会1次リーグ初戦のスイス戦で敗れたが、直後の同ホンジュラス戦に勝利して以来、公式戦では敗れていない。30日のコンフェデ杯決勝のブラジル戦に勝つと不敗記録は大台の「30」に到達する。23日のナイジェリア戦に勝利して記録を「28」とした時点で、94年から99年にかけてフランスが達成した27戦不敗という最長記録を更新していた。親善試合も含めた国際Aマッチ不敗記録はスペインとブラジルが持つ「35」。