【ダラス(米国)13日(日本時間14日)=飯岡大暉】FIFAワールドカップ2026(W杯)北中米大会の1次リーグ初戦オランダ戦を14日(同15日)に控え、日本代表の森保一監督(57)が決戦会場のダラススタジアムで公式会見に出席した。負傷で2日前に電撃離脱した前主将のMF遠藤航(33=リバプール)に初めて言及し、大舞台の初戦前日に、異例の謝罪を行った。

「遠藤航の離脱ですが」と序盤に触れ「メディカル(医療班)に彼のコンディション的な判断はしてもらったが、私自身が、最終的に彼がプレー可能かどうか、チームにとどまるか、離脱なのかを監督として判断させてもらいました」と言った。

報道陣からの質問に対して答える形で「メディカルからは常に報告を聞きながらも、区切りのアイスランド戦のところで、より長くプレーすること、リハビリを行ったところで、W杯に向けてプレーできるかどうかを本人にも頑張ってもらって、メディカルとともに、状態を見てきました」と経緯を説明。「その上で、W杯の初戦、全体を通しても100%でプレーすることが難しい、とメディカルとも話をして、私自身もリハビリの状態を見ながら判断させてもらいました」と説明した。

苦渋の決断を、心を鬼にして伝えた時の状況を問われると、こう明かした。

「自分は本当にひどいことを選手に伝えているな、と思っていただけで…。航自身は話をしている時に、心中は分からないですが、態度としては冷静に話を聞いてくれて、話も冷静にすることができる状態だったと思います」

「航が傷つくことはもちろんですが、大切にしている家族、大切にしている航を応援している方々だったり、本人だけでなく、多くの方々を傷つけることをしてしまったと私自身、申し訳ない思いでいっぱい。謝りたいと思っています。選手に対しての敬意やリスペクトを欠くことなく、チームのために、日本のために決断させていただきました」

今回の決断に関しては、チームの為に、日本のために本人に敬意は忘れることなく決めさせていただきました

遠藤は2月11日のイングランド・プレミアリーグ、サンダーランド戦で左足甲の靱帯(じんたい)を痛めて手術。代表キャプテンとして、誰よりも懸ける思いの強かった3度目の大舞台に向けてリハビリに励み、壮行試合の5月31日アイスランド戦で復帰した。

しかし、先発した一戦で左足を踏まれて違和感を覚え、前半だけで交代。6月2日から始まったメキシコ・モンテレイでの事前合宿から別メニュー調整が続いていた。

ベースキャンプ地の米ナッシュビルでは練習に一部合流したものの、状態が上がり切らず、医療チームから報告を受けた森保監督が全26人の登録メンバーからの交代を決断。選手には11日(日本時間12日)の練習前に説明していた。涙を流す仲間もいたという。

遠藤は同日の朝、あいさつすることなくチームを離れており、FW町野修斗(26=ボルシアMG)が追加招集された。その後、遠藤はSNSで「代表引退」まで表明する異例の事態になっていた。

後任の新主将にはDF板倉滉(29=アヤックス)が就任し、オランダ戦に向けて選手ミーティングを開くなど、動揺を抑えて一体感を醸成しようと努めていたが、遠藤の衝撃脱退について、森保監督の決断理由や経緯が注目されていた。