<Vプレミアリーグ男子:JTサンダーズ3-0東レアローズ>◇24日◇草薙総合運動場体育館

 32歳の加藤陽一が、バレー人生で初めてリベロを務めた。

 正リベロの酒井大祐が昨年11月にけがを負ってから、メイフォース・ゴードン監督の頭には、スパイカーの加藤をリベロに、という考えがあった。ただ、「このチームはウイングスパイカーが少ないので、万が一スタメンがけがをした時のために、加藤を置いておきたかった」。

 しかし前週の試合後、監督スタッフの話し合いの結果、「勝つために、加藤をリベロに」という結論に至り、加藤本人にリベロ出場を打診した。

 加藤は快諾。今シーズンは控えに回ることが多く、どんな形であれコートに立ちたい、チームに何か貢献したいという思いがあったため、迷いはなかった。

 そして初めてリベロの赤いユニホームでコートに立ち、安定したプレーで勝利に貢献。

 試合後、「リベロという形でチャンスをもらったことに感謝しています。ブロックとレシーブの関係をよくしたり、周りに声をかけるといった数字に表れにくいところを重視しました。(控え選手として)アップゾーンからでは声を出してもなかなか伝わらないけど、今日はコートの中で、『集中力を切らすな』とか、『ミスを怖れるな』という声をかけることができました」と語った。

 加えて、サーブレシーブ成功率は88・9%と、数字の上でも結果を残し、ゴードン監督は、「今日は加藤をリベロにしてよかった」と満足そうに語った。経験豊富なベテランが、また新たな役割を見つけ、チャンスをつかんだ。