IAAF(国際陸連)ワールドチャレンジ第3戦「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」(日刊スポーツ新聞社共催)が8日、等々力陸上競技場で開催される。世界から集結するトップアスリートに挑む日本の6選手を紹介する。第1回は男子棒高跳びの山本聖途(24=トヨタ自動車)。

 五輪イヤーに、上々のスタートを切った。山本は今年1月に米ネバダ州リノでの国際室内大会で自己ベストの5メートル77をクリアして2位。室内日本新記録となった。「今年の初試合で自己ベストを2年半ぶりに更新できた。でも屋外(の記録は)は5メートル75なのでそれ以上を狙っていきたい」。昨年9月の全日本実業団(岐阜)では日本陸連の派遣設定記録5メートル70を突破。2大会連続の五輪へ、視界は良好だ。

 13年世界選手権モスクワ大会で5メートル75をクリアして6位に入賞した。同選手権の日本人最高順位だった。だがその後は結果が出せなかった。慢性的な疲労からくる腰痛に長く悩まされてきた。五輪イヤーを前に、昨冬は体のバランスを矯正して筋力も強化。腰の痛みからやっと解放された。

 4月29日の織田記念国際は5メートル30、同50を一発でクリア。しかし向かい風の中で5メートル60を失敗して2位に終わった。「力みが出た。もっとリラックスして臨めば良かった。今後の課題にしたい」と口にしている。

 5・8は、昨夏の世界選手権金メダリスト、ショウナシー・バーバー(カナダ)がエントリーしている。山本は、自己記録6メートル0の金メダリストについて「技術よりもパワーの選手。向かい風でも関係なく跳んでくる。5メートル80ぐらいまでくらいついて勝負したい」。五輪での目標に入賞を掲げる山本にとって、強豪がそろうセイコーゴールデングランプリは最高の舞台だ。【益田一弘】

 ◆山本聖途(やまもと・せいと)1992年(平4)3月11日、愛知県生まれ。中2で棒高跳びを始める。岡崎城西高、中京大をへてトヨタ自動車。12年ロンドン五輪代表。初出場の13年世界選手権モスクワ大会で6位に入賞した。昨年同選手権北京大会は5メートル65で予選落ちした。自己ベストは5メートル77。181センチ、70キロ。