9月の米・フロリダ大入学まではオランダが拠点。オランダ代表コーチを務める米国人に師事し、五輪で男子3段跳び2連覇中のクリスチャン・テーラー(25=米国)らと練習。上半身と下半身のバランスが改善され、最後までフォームが乱れなくなった。異国の地での1人暮らしに「コンビニが恋しい。セブン-イレブンとかファミリーマート、ローソンとかあったらな」と漏らしながら、世界に目を向けるアスリートと切磋琢磨(せっさたくま)。15年世界選手権に男子200メートルでは史上最年少の16歳で出場し、準決勝に進んだ才能がさらに磨かれ、100メートルでも芽が出てきた。

 今日24日は100メートル決勝の前に200メートル予選を走る。楽ではない条件にも「勝たないと意味がない」。前回大会は左足負傷で欠場し、リオ五輪を逃した。悲劇の夏から1年。新時代の到来を告げる。【上田悠太】

 ◆サニブラウン・ハキーム 1999年(平11)3月6日、福岡県生まれ。ガーナ人の父と日本人の母を持ち、小3で陸上を始める。15年の世界ユース選手権2冠。今春に東京・城西高を卒業。200メートルの自己記録は20秒34。187センチ、72キロ。

 ◆男子100メートルの世界選手権代表選考 代表枠は最大3。<1>派遣設定記録S(9秒89)を突破<2>参加標準記録(10秒12)を突破し、日本選手権優勝<3>派遣設定記録A(9秒98)を突破し、日本選手権で3位以内に入った最上位。<1>~<3>なら内定。これで枠が埋まらない場合、参加標準記録を突破し、日本選手権で3位以内の選手、参加標準記録を突破し日本選手権以外の選考レースで日本人1位かつ日本選手権にも出場した選手、派遣設定記録Aを突破し、日本選手権8位以内の選手、強化委員会の推薦があった選手から選考する。