第94回箱根駅伝記者発表が10日、都内で行われ、青学大の原晋監督(50)は毎年、注目される作戦名について「ハーモニー大作戦」と命名した。

 原監督は「皆さん、期待していますでしょうか。ワクワクから始まりまして、ハッピーときまして、昨年はサンキュー作戦ありがとう、という形で締めさせていただいた」と前置きした。

 その上で「今年はですね…チームの特徴として、デコボコ駅伝なんですよね。しかし最後は最低限、まとめてきた。これは音楽でたとえるなら、しっかり電源は入っているんですね。力はあるんです…しかし、なかなか、調和が取れていない。これ、学生は個々の力はついてきました…音楽で言えば、パーツのパワーは付いてきたが最後、何か抜けているところがある。それは監督の熱さかな、調和だな」と、自らに責任があること示唆した。そして「しっかりと士気を高めておきたいな。そういう意味を込めて」と作戦名について説明した。

 原監督は、日本テレビ系「真相報道バンキシャ!」(日曜午後6時)、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に出演したことを引き合いに「ここに何回、座っても緊張します。『バンキシャ!』、『ミヤネ屋』で期待していただいたけれど…ここが緊張しますね」とジョークを飛ばした。その上で「チームは原が冗舌になるといいようです。山対策もキッチリ出来ている。あとは選手が走ってくれると思います」と笑みを浮かべた。キーマンについては田村和希(4年=西京)の名を挙げ「28分台。彼がエース。どこに持っていくか」と語った。

 青学大は今季、原監督の「~作戦」が不発に終わっている。原監督は10月の出雲駅伝の際に「2年連続3冠で、箱根4連覇してこそ真の王者で陸の王者。今回は“陸王大作戦”」と命名した。TBS系で放送中の人気ドラマ「陸王」(日曜午後9時)で、ランナー役の出演者への走法指導・監修を行い、青学大オリジナルのトレーニング「青トレ」も伝授し、自ら解説者役で出演。それを受けての作戦だったが、東海大に敗れて2位。3連覇を逃すとともに、16年箱根駅伝から続けてきた3大駅伝での連勝も4でストップした。

 11月の全日本大学駅伝の際は「青山祭大作戦」と命名。大会が行われた3連休は学園祭シーズンで「そのフィナーレを伊勢路のお祭りでも打ち上げ花火を上げる。優勝のゴールテープを切る」と豪語したが、20年ぶりの優勝を果たした神奈川大、東海大に続く3位に敗れた。先行逃げ切りを描いていたが、1区で中村祐紀(4年=大阪桐蔭)がトップと1分22秒差の10位と大きく出遅れた。2区の田村が区間賞の走りで6位まで浮上し、4区では3位まで順位を上げたが、5区では3位でタスキを受けた、10代マラソン日本最高記録保持者の下田が左足の不調でペースダウンし、4位に順位を落とした。原監督は「ミスをしたら勝てないが全責任は使った私」と肩を落とした。

 原監督は、初優勝した14年に「ワクワク大作戦」、15年は「ハッピー大作戦」、箱根駅伝3連覇と10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝に続く、大学駅伝3冠を決めた16年は「3大駅伝の3冠、3連覇、私自身、箱根9度目のチャレンジ…優勝サンキュー大作戦」と命名している。【村上幸将】