陸上女子100メートル、200メートルの日本記録保持者・福島千里(29)がセイコーホールディングスに所属する方向で調整に入っていることが12日、関係者への取材で分かった。今季からプロに転向したが、所属先が決まらず札幌陸協として活動していた。来季の復活を目指す元女王が、強力なサポートを受けられる可能性が出てきた。

 同社には100メートルの自己ベスト10秒00を持つ山県亮太(25)が所属。契約が実現すれば、チームメートとなる。その山県や、過去にゴルフの石川遼も指導してきた名トレーナー仲田健氏(48)に、福島は今秋から師事している。それに伴い、練習拠点も北海道から首都圏に移した。男女こそ違えど、ともに日本トップクラスのスプリンター。所属先も同じとなれば、刺激を受けられる環境となる。今オフも山県らと一緒に沖縄など温暖な場所で合宿をする予定。所属先も決まれば、復活の土台が完成する。

 五輪3度、世界選手権4度出場の第一人者も、6月の日本選手権で100メートルは7年間、200メートルは6年間守っていた女王の座から陥落。世界選手権の出場を逃し、所属先も決まらず、苦しいシーズンを過ごした。雌伏の時を経て、復権を目指す。