東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝、来年1月2、3日)の優勝候補3校の

切り札を紹介する「箱根駅伝 3強の秘密兵器」第2回は、全日本大学駅伝を制した神奈川大の鈴木祐希(4年)。チーム屈指の実力者ながら、11月末の記録会直前に右足首を捻挫。鈴木が復活できれば、20年ぶりの優勝はぐっと近づく。

 神奈川大のエントリー選手に、鈴木姓は2人いる。鈴木健吾は全回2区区間賞で、歴代8位の記録を出したエース。もう1人の鈴木祐希は知名度で劣るものの、部のウェブサイトに「神ってないほうの鈴木とは言わせません」と記すほどの実力者でもある。前回は6区山下りで区間4位。今年の全日本は4区5位で優勝に貢献した。20年ぶりの頂点を狙う今回の箱根は、カギとなる3区か4区を任される予定だった。

 だが、11月25日、都内で行われた1万メートル記録会直前に右足をひねって転倒。翌朝、起きると患部はひどく腫れていた。「やっちゃった…」。診断は全治3、4週間。自身3度目の箱根出場へ黄信号がともった。鈴木祐は治るのを待たず2週間ほどで練習を再開。17日の公開練習日には、まだ痛みが残っていることを明かし「3年生だったら、今の時点であきらめていたかもしれません」。別メニューをこなしながら、最後の舞台へ調整を続けている。

 鈴木祐のケガは決してマイナスではない。市川コーチは「あいつはすぐ調子に乗るので、いいきっかけとなりました」と笑い「走れるはずです」と期待する。走れる状態に戻ってくれば、神奈川大にいい風が吹く。【高場泉穂】

 ◆鈴木祐希(すずき・ゆうき)1995年(平7)11月1日、愛知県岡崎市生まれ。愛知高から本格的に陸上を始める。箱根駅伝は16年6区15位、17年6区4位。1万メートルの自己ベストは28分52秒99。家族構成は両親。好きな食べ物はチョコレート菓子の「ブラックサンダー」。171センチ、56キロ。血液型A。