第94回東京箱根間往復大学駅伝で往路優勝、総合2位の東洋大が15日、都内の白山キャンパスで報告会を行った。

 酒井俊幸監督(41)とエントリーメンバー(一部は授業のため欠席)が、集まった学生、教職員らに応援に対する感謝の思いと総合2位に終わった悔しさを語り、来年の大会で5年ぶりに総合優勝を勝ち取ることを誓った。

 報告会を終えた酒井監督は「総合優勝を狙わなければならないチームになってきている。来年は勝たなければいけないと思っています」と明言。今年走った10人のうち9人が残り、王座奪回へ焦点を絞ったチームづくりに着手する。そのスタートとして10区区間賞の小笹椋(3年)が駅伝主将から陸上部長距離部門の主将に就任し、3区区間賞の山本修二(同)が副主将としてサポートする新体制を発表した。

 小笹は「今年は1、2年生に勢いがあったが、それを生かして新しいチームをつくっていきたい」。酒井監督から「来年の大エース」と期待される山本は「チームに勢いをつけられるような走りでみんなを引っ張っていきたい」と決意を明かした。

 10年連続3位以内でベースはでき上がった。青学大の5連覇を阻止し、東海大、早大らのライバルを制するために酒井監督は「スタミナに加えてスピードの養成。そして選手層をつくること」を課題に挙げた。山本のほか、1区区間賞で往路優勝へ流れをつくった西山和弥(1年)、2区区間3位の相沢晃(2年)、4区区間2位の吉川洋次(1年)らが、トラックの1万、5000メートルで日本選手権に出場できるまでレベルアップすることを要求。チーム内競争で全体の底上げを図り、箱根の王座奪回とともにマラソンも含めて20年東京五輪代表を送り出すことも視野に入れている。

 大エースに指名されている山本に対して、西山が「今は実力的に無理ですが、いつかは勝てるようになりたい」と“下克上宣言”するなど、すでに競争激化のムードは漂い始めている。今年の箱根をチームカラーになぞらえ「鉄紺の逆襲の第1歩」と表現した酒井監督は「逆襲が序曲で終わらないように、完奏曲になるようにしたい」と締めくくった。【小堀泰男】