福岡国際マラソン(12月2日、平和台陸上競技場発着)の記者発表が29日、福岡市内で行われ、前日本記録保持者の設楽悠太(26=ホンダ)ら国内10人、海外6人の招待選手を発表した。出席した日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(62)は、さらなる男子マラソンの飛躍に期待を寄せた。

2月の東京で設楽が2時間6分11秒で16年ぶりの日本記録を更新し、さらに10月には大迫傑(27=ナイキ)が、シカゴで2時間5分50秒をたたき出した。

この勢いをもたらしたのが、昨年の福岡国際で2時間7分13秒で日本人最上位の3位になった大迫だという。

今大会へ、瀬古氏は「今の男子マラソンに火がついたのは、昨年の福岡国際の大迫の3位から。もう1つ、2段ロケットの火がつく選手が出ることを願っています」と期待を寄せた。

今回の福岡で期待の筆頭が設楽だ。東京後に右足を疲労骨折したが、今秋の記録会などで実戦復帰し、福岡国際に照準を合わせてきた。現状は、瀬古氏によると「まだ絶好調ではないと思う」という。だが「彼は試合に出て調整するタイプ。それがバロメーターになっている」と心配なさそうだ。性格について「天才的というか、宇宙と会話しているみたいな不思議な子」と表す設楽の快走に注目が集まる。