全日本大学駅伝(4日午前8時5分、名古屋・熱田神宮~三重・伊勢神宮=8区間106・8キロ、日刊スポーツ新聞社後援)の監督会見が2日名古屋市内で行われた。

今大会から7区が11・9キロから17・6キロになるなど全8区間中、最終8区(19・7キロ)以外の7区間で距離が変更された。7区、8区の距離が長く、エース格の投入を余儀なくされる。ただ1区(9・5キロ)、2区(11・1キロ)を軽視すれば、流れを失う。優勝候補に挙げられる大学の監督はどういう戦略を描くのか?

青学大の原晋監督(51)は「区間割の難しい駅伝になった」と分析する。その中でキーマンには4区(11・8キロ)に起用する林奎介(4年)を指名。林は今年の箱根駅伝で金栗四三杯(大会MVP)を獲得。他大学からすれば、地力に劣る選手を起用しないとならない区間に、エース格を投入。一気にアドバンテージを取り、流れをつかむ作戦だ。選手層の厚さを存分に生かして戦う。

駒大の大八木弘明監督(60)は1区が重要とした。「前半から前にいないとダメ。1区、2区の流れを生かしたい。ずば抜けたエースがいない。きちんとつないでくれたら」と話す。現在、1区には小原拓未(2年)がエントリーされているが、「この辺は変わるでしょう」。補欠には片西景(4年)下史典(4年)中村大聖(3年)ら力のある選手が控えている。

7区に吉川洋次(2年)、8区に相沢晃(3年)と大学トップクラスの選手が控える東洋大の酒井俊幸監督(42)は2区の西山和弥(2年)に期待した。「7区、8区に主力を置いている。他大学より後半の追い上げを目指したい。一方で西山を2区に置いている。これまでの2区のこだわりも持ってもらう。2区は名だたる選手が走っている。。ただのつなぎというより、存在感を見せてほしい」。西山は往路優勝した今年の箱根駅伝で1区区間賞を獲得。その時のように先行、逃げ切りのプランを描いた。

東海大の両角速監督(52)は5・7キロ距離が伸びた7区をカギとした。後半に差しかかるにつれ、気温も上がるだけに「難易度が増した区間」と言う。7区には湊谷春紀(4年)がエントリーしている。「代えることはないと思う。キャプテンにしっかり頑張って欲しい」と口にした。

 

【全日本大学駅伝の距離】

()内は前回大会までの距離

1区 9・5キロ(14・6キロ)

2区 11・1キロ(13・2キロ)

3区 11・9キロ(9・5キロ)

4区 11・8キロ(14・0キロ)

5区12・4キロ(11・6キロ)

6区12・8キロ(12・3キロ)

7区17・6キロ(11・9キロ)

8区19・7キロ(19・7キロ)