ダークホースはだれ? 20年東京五輪マラソン代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」(9月15日)の出場選手発表会見が3日、都内で行われた。

日本記録保持者の大迫、前日本記録を持つ設楽、昨夏のアジア大会金メダルの井上らが一発勝負で代表を争う注目の男子。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「誰が勝つか分からない」とした上で、佐藤悠基(32=日清食品グループ)を注目選手に挙げた。

その理由を「勝負強い。マラソンの足が出来てきている。まだまだ力が余っている気がする」と説明した。00年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さんも「スピードをマラソンに生かせれば、彼がダークホースの存在になる」と賛同した。

佐藤は東海大1年から箱根駅伝で史上3人目となる3年連続区間新をマーク。卒業後は主にトラックで活躍し、11年から1万メートルで日本選手権4連覇。12年ロンドン五輪は5000、1万メートルに出場した。18年東京で2時間8分58秒の日本人6位でMGC切符を獲得。3月の東京は2時間15分7秒の16位も、オーバーペースで飛ばし、20キロまで先頭集団で攻めていた。

出場基準を突破した選手から、川内ら秋の世界選手権(ドーハ)代表各3人が抜けた男子31人、女子12人の戦いは、東京五輪本番と発着点以外は同じコース。代表内定者は9月25日から1週間、北海道・千歳で合宿に参加し、今後の戦略を話し合う。瀬古リーダーは「東京五輪が目標。ここで燃え尽きてもらっては困る」とも強調した。【上田悠太】