東京オリンピック(五輪)は「暑さ対策」が大きなテーマだが、マラソンに関して言えば暑さが日本の味方になる可能性は高い。高速化で多くのマラソン大会は2時間3、4分台の争いになっているが、暑さによって優勝タイムが大幅に下がるのは確実。タイムより勝負優先の五輪で30度を超す猛暑になれば、優勝タイムは2時間10分を大きく下回るはずだ。

このタイムなら、日本選手にもチャンスはある。世界のトップに君臨するケニア、エチオピア勢が慣れない蒸し暑さで失速する可能性もある。五輪本番ほどではないにしろ、暑さの中で結果を出した中村匠吾らには期待がかかる。日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダーは「現実的に考えれば男子は入賞狙い」と言いながら「メダルを狙うことは大切。そのためにMGCをやったのだから」と話す。想定外の暑さが、想定外の結果を生むかもしれない。