男子100メートルは桐生祥秀(24=日本生命)が10秒14(向かい風0・2メートル)で優勝した。

9秒台は出なかったが、タイム以上に新しい国立競技場で勝てたという意義が大きかった。中盤でしっかりと伸び、ケンブリッジに0秒02差で競り勝った。国内のライバルに負けなかった。「ここで勝ち切れたことが大きな収穫」と笑顔。追い風0・7メートルの予選3組は10秒09の好タイムで1着。これも踏まえ、昔の国立にはなかった「いい思い出」を積み重ねた。

感染防止のため無観客だったが、レースを走らないと分からない東京オリンピック(五輪)へのイメージも高められた。「満員になったら、地響きが起こるくらい盛り上がると思うので楽しみ」と、最多8万人が埋め尽くす国立を思い浮かべた。この経験は「今後のレースにつながる。アベレージを上げ、ベストも狙っていきたい」と誓った。

▽10秒16で2位のケンブリッジ飛鳥「前半は力がうまく入ったが、後半に腰が抜ける感じがあった。そこを修正すれば、良くなる」