女子は旭川龍谷が7年連続10度目の優勝を飾った。5人全員が区間賞を獲得する走りで後続を5分49秒引き離し、1時間10分22秒で、通算11度目の全国大会出場を決めた。

昨年の都大路を経験した4人を含む5人に死角はなかった。1区の中野芽衣(2年)が残り300メートルで抜け出すと、石川苺(いちご、3年)、益塚稀(まれ、2年)、工藤凜果(りんか、2年)、山本望結(みゆ、2年)と、タスキをつなぐたび、ライバルが離れていった。アンカーの山本は「前のみんなが(後続を)離してくれたので、自分の走りをして、少しでもタイムを縮めたかった」と、事もなげにレースを振り返った。

昨秋完成した、阿部文仁監督(46)らスタッフが自らホームセンターで購入した人工芝を張ったビニールハウス型インドアトラックが、急激な成長の舞台となった。選手もトレーニングの後に草むしりを自主的に行うなど、心も鍛えられた。「(同部で)史上最強のチームになった。(93年に室蘭大谷=現北海道大谷室蘭が記録した)北海道最高の7位以内を目指します」と、昨年の13位を超える成績を見すえた。

大会前には、毎年恒例の3年生の手作りお守りが全部員に配布された。今年は全てジグソーパズルの形で、お守りを組み合わせると心願成就を意味する“目の入っただるま”になる。4区の工藤は「全国大会でもいい記録を出して(8位)入賞したい」と、次の“心願”を口にしていた。【中島洋尚】