女子800メートルで仙台育英が表彰台を独占した。伊藤夕梛(ゆな、2年)が2分12秒93で優勝。ケニア出身の留学生デイシー・ジェロップ(2年)が2分14秒96で2位、渡辺光桃(こと、1年)が2分16秒18で3位と続いた。同校は1500メートル、3000メートルでもワンツースリーフィニッシュ。3人は今夏の全国高校総体(インターハイ)出場権を争う東北高校陸上(6月15~18日、山形)に駒を進めた。

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伊藤が800メートルの女王に輝いた。残り1周(400メートル)の鐘が鳴ったのを合図にスピードアップ。2番手の位置から1位ジェロップを猛追。徐々に差を縮めていく。「デイシー(ジェロップ)がどこが苦手なのか、どこで仕掛けたら勝てるのかを考えていて、レース中にここで仕掛けたらいける」と残り200メートルで動いた。並走はせず、一気に突き放す。残り100メートル。スピードを緩めることなく、フィニッシュラインを駆け抜けた。

宮城・利府町出身。しらかし台中3年時の宮城県中学総体では1500メートルで優勝し、全国中学陸上(全中)の同種目で決勝進出。ところが、仙台育英入学後は伸び悩んだ。「高1のときは全然伸びなくて、悩んでいた1年間でしたが、今年は調子が上がってきている」。手応えを示すように初出場の県高校総体で結果を出した。それでも慢心はない。「県大会はスタートなので、東北大会では必ず6枠に入って、初めてのインターハイに出られるように頑張りたい」と意気込んだ。

1年生・渡辺光も県総体で3位に入り、上々のデビューを飾った。「順位に関しては妥当というか、練習から先輩方の方が自分よりも速いので、抜かすことは厳しいと考えていた」。それでも「3位を狙っていたら4位とかになる可能性があるので、先頭を目指していた」。だが優勝した伊藤には4秒75及ばなかった。

先輩とともに表彰台を独占した。渡辺光は「仙台育英は全国で戦っていく学校。自分が1年生だとしても、育英の名にかけて表彰台を独占できるように頑張らないといけないと思っていた。3番以内に入って貢献できた部分は良かった」と胸を張った。

3000メートル、1500メートルのメンバーに負けじと、800メートルの3人も東北陸上で躍動し、全国総体へつなげる。【山田愛斗】