アメフトXリーグの電通キャタピラーズのチアが「電通キャタピレッツ」だ。結成2年目の若いチームで、今季は21人が所属。メンバー全員が広告会社の電通やグループ社員だ。「仕事とチアの両立」がモットーで、観客動員のために社内でデモンストレーションも行っている。

結成2シーズン目を迎えた電通キャタピレッツ
結成2シーズン目を迎えた電通キャタピレッツ

「電通キャタピレッツ」は昨年デビューした。一昨年12月、電通キャタピラーズが入れ替え戦に勝ってXリーグ1部昇格を決めた。それに伴い、電通社内の経験者を集めてチームを結成する話が持ち上がった。

その中心となったのが、慶大出身で現キャプテンの西井萌と立大出身の川島里佳子だ。2人とも大学時代にチアリーダーを務め、東京6大学野球などで応援していた。2人が社内で声をかけ、女性16人が集まった。

チア、ジャズダンス、バレエなどメンバーの出身はさまざま。元フィギュアスケート選手や地下アイドルもいた。近くの体育館を借りて、仕事終了後に週2、3回の練習を重ねた。昨年6月のパールボウルでお披露目し、秋シーズンから本格的に始動した。

サイドラインのダンスの振り付けはメンバー全員で考えた。応援でスタンドがどっと沸くのが「電通コール」。これも彼女たちのアイデアだ。チアの「エブリバディー・デンツウ」のコールに合わせて、全員が「デンツウ」と声を張り上げる。西井は「観客席は電通やグループの社員がほとんどで、アットホームな雰囲気です。皆さん思い切り『デンツウ』と叫んでいますよ」と笑う。

「1000人動員プロジェクト」も展開中。昨季の1試合のホーム観客数は788人が最高で、今季は1000人超えを目標にしている。その一環として、昼休みに社内でストレッチやダンスなどのチアエクササイズのレッスンを行った。ここでも最後は「電通コール」が響き渡った。

8月にスタートした新シーズン。メンバーは男子1人を含め21人に増えた。川島は「昨季はとりあえずチームを成り立たせるのが目標でしたが、今季は他チームに追いつけるようにレベルアップしていきたい」。西井は「メンバーは最前線で仕事をしていますが、仕事とチアをどちらも妥協なく両立させていくのが目標です」と話した。

電通キャタピレッツの応援風景
電通キャタピレッツの応援風景

◆電通キャタピレッツ 1000人動員プロジェクトの一環で、社員の子供を対象にキッズチア教室を開いたことも。電通キャタピラーズは今季、X1 AREA EASTに所属。トップリーグのX1 SUPER昇格を目指すチームを21人のチアが後押しする。