知的発達障がいのある子供たちが参加したチアダンスチームが世界に羽ばたく。強豪の柏ゴールデンホークスの選抜メンバーと合同で結成した「Dream Team」だ。来年2月に米ケンタッキー州で行われる国際大会「JAMfest Dance Super Nationals」に推薦で出場することが決まった。

柏ゴールデンホークスと知的発達障がいのある子供たちで結成された「Dream Team」
柏ゴールデンホークスと知的発達障がいのある子供たちで結成された「Dream Team」

「Dream Team」は障がいのある子供たち14人と、柏ゴールデンホークス(KGH)の選抜メンバー8人の計22人で活動している。初の国際大会出場が伝えられると、「私の夢!」と、うれしさのあまり大泣きした子供もいたという。

「Dream Team」は、KGHの代表を務めるオサギエ淑子(よしこ)さんが昨年創設した。KGHが世界大会「The Dance Worlds」に出場した際に、障がいのある子供たちのパフォーマンスに感銘を受け、チーム結成を思い立った。外国人の夫と結婚し、子供もいるオサギエさんは「日本にある無意識のボーダー(境界)を取り除きたい」と、かねて考えていたという。

練習は月2回ほど、都内で行っている。KGHのメンバーは障がいのある子供たちと初めて接して、ストレートに感情を表現し、体当たりでぶつかってくる姿に驚きと感動を覚えたという。コーチの石田奈美子さんは「メンバーはこの活動を通して、練習中の態度や人との接し方が変わりました」。

今年2月には、都内で行われた「世界ダウン症の日」キックオフイベントでパフォーマンスを披露した。国内で活動の場を広げ、いよいよ世界に飛び立つ。オサギエさんは「子供たちの可能性は計り知れない。世界中の人たちと触れ合って、お友達の輪を広げてほしい」と話した。【元NFLチアリーダー松崎美奈子】

◆Dream Team 日本初の知的発達障がいのある子供たちのビューティーコンテスト「スペシャルビューティージャパン」出身のメンバーと、チアダンスの強豪・柏ゴールデンホークスのメンバーで結成。オサギエさんが、同コンテストの代表でタレントのジェイソン・ハンコックに協力を依頼して実現した。