前週に続き、米NBAホークスのダンサー高井智華さんの後編です。体作りや食事、NBAダンサーを目指す人たちへのメッセージを聞きました。

北米トップ10に入った大会での様子
北米トップ10に入った大会での様子

-チームで求められている体は

高井さん 人それぞれ身長や体質も違いますし、特にこの体形がベストというものはありません。健康的で引き締まった体が良いとされています。

-トレーニングについて

高井さん 週に2~3回のチーム練習に加えて、個人的に週に5日ほどジムでウエートトレーニング、週1日程度のホームトレーニングをしてます。シーズン中のハードな活動を乗り切る体を作るためにも、スタミナ強化や筋力強化は欠かせません。どんなスポーツのアスリートもトレーニングを欠かさないように、ダンサーもトレーニングは必須だと思っています。それが、スキル向上やパフォーマンス中の自信向上につながります。

ホークスの試合でのパフォーマンス(C)Atlanta Hawk・Katgoduco
ホークスの試合でのパフォーマンス(C)Atlanta Hawk・Katgoduco

-食事について

高井さん ダンサーやチアリーダーもアスリートだと考えています。私たちも選手たちと同等に体を酷使してますし、それだけハイレベルのトレーニングや練習を乗り切るためにも、栄養面はかなり重要なポイントだと思います。しっかりとエネルギーを補給し、酷使した体を補修するためにも十分なタンパク質をとることとさまざまな栄養素をバランスよくとることを意識しています。また出来るだけ加工食品や外食を避けること。忙しいとそういうものに頼ってしまいがちですが、鍵はプレパレーション(準備)。一度に何食分もの食事を作って保存しておくことで、忙しい日々でも脱線が防げます。

-体作りのモチベーションを維持するためには

高井さん 目標を定めてそれに向けて自分がどう変化しているかを常にチェックすることが重要だと思います。停滞期に入ってしまってモチベーションが低くなってしまったり、欲に流されてしまったりなど理由はさまざまだと思いますが、健康的な体を作るということは、1日頑張ったから何かが変わるというものではないということ。どうしても時間がかかります。我慢強くいることが鍵なので、そのためにも現在の状態、目指しているゴール、なぜ自分はその目標に向かって頑張っているのかということを常に確認して意識し直すことでまた頑張れると思います。

地域活動の様子(C)Atlanta Hawks
地域活動の様子(C)Atlanta Hawks

-NBAダンサーになりたい方にメッセージを

高井さん 数あるダンサーとしてのお仕事の中で、NBAダンサーが一番異なるのは「パフォーマーだけでなくチーム、会社、ブランドの一員である」ということです。チームを代表し、街とチームをつなぐ存在になるので、文化を学び、街やチームの知識を持っておくことはとても重要になってきます。アンバサダーとしてのスキルセットという意味ではコミュニケーションスキルもとても大事です。

次に、もちろんのことですが「パフォーマーとしてのスキルを高める」こと。コートの上でパフォーマンスすることは、単に踊るだけではなく見る人をいかに引き寄せるかが勝負です。1つのダンススタイルに縛られずに幅広いスキルを持つこと、引き出しは多ければ多いほど良しです。

最後に、「オリジナリティーを持つ」ことです。オーディションでは何百人と挑戦者がいる中、数人分のスポットを争います。いかに自分の個性を輝かせるかで何百といるライバルの中で唯一の存在になれると思います。

ホークスのマスコットHarryと(C)Atlanta Hawks
ホークスのマスコットHarryと(C)Atlanta Hawks

◆高井智華(たかい・ちか)埼玉県生まれ。2015年からNBAホークスのダンサーとして活動。17年よりキャプテンを務める。同年ビキニコンテストNPC(米国)で4部門で優勝。WBFFでプロカードを取得し、北米トップ10入り。激しくダイナミックなヒップホップが得意。ホークスではDJ活動も行う。身長159センチ。