どーもです。スリリングのニューモデル「GEAR CHAN」シャフトを試打できました。同社のシャフトと言えば、カラフルな「HARUKANA」「AOSAKI」が印象的でしたが、この「GEAR CHAN」は同社にとってセカンドステージとなるシャフトのようです。何でも、レーシングカーの「ギアチェンジ」を意識したネーミングで、コスメもその辺を意識しているんだとか。では、早速いってみましょう。


まずは松山英樹プロのマスターズ制覇の話題に触れないわけにはいかないですよね! 日本人として、そしてアジア勢としても初のマスターズチャンピオン誕生は、まさに歴史的快挙。正直言えば、自分が生きている間にグリーンジャケットに袖を通す日本人が出てくるとは思っていませんでした。ボクは東北福祉大時代に1度取材をしたことがあるだけですが、何だか感慨深いです。完全徹夜状態で若干ぼぉ~としていますが、そんな人も多かったのではないでしょうかww


松山プロの活躍が日本ゴルフ界盛り上がりの起爆剤になって欲しいですね。社会的にも、コロナ禍における数少ない明るい話題でもあります。思い返せば、アマチュアで初出場した2011年も東日本大震災に沈む日本に明るい話題を提供していましたよね。そういう意味でも、何かもっているのかな…なんて思いました。


何はともあれ、おめでとうざいます!! 


というわけで本題です。“リミッターを外してトップギアで切り返す”がコンセプトで、ヘッドスピードが加速するシャフトなんだとか。通常モデルに比較すると、手元の柔らかい部分が長く、ダウンスイングでコックがほどけてしまうタイプでもタメが作れるタイプのようです。

試打ヘッドはロマロ「RAYαブラック」で、スペックはロフト角10.5度、ライ角59度、ヘッド体積460cm3です。カチャカチャのポジションはSTDで統一しました。

試打シャフトフレックスは「S+」「S」「SR+」「SR」「R+」の5モデルですが、「R+」は時間の関係で1球のみの試打となってしまいました。

打った順でレポしますが、まずはSフレックス。スペックは長さ45.5インチ、総重量311.3g、バランスD1。シャフトスペックは63g、トルク3.4、中調子。振動数は253cpm。

シャフトを手でしならせてみると、まずまず硬さでした。ボク的にはSフレックスらしいSのイメージ。しなりポイントは真ん中辺り。ワッグルしてみると程よいヘッドの動き方ですね。素振りしてみるとシャープに振れそうな雰囲気でした。


実際に打ってみると、意外とクセがなく素直に振れる印象でした。正直、手元でタメを作ってくれる感じは、ボクにはほぼ感じられませんでした。クセがなく素直なしなり感で、かなり気持ち良く振れます。腐れフッカーのボクが何も気にせず気持ちく振れて、結果的に曲がりも少なかったですね。思った以上にたたけそうなシャフトですが、そう考えるとこのシャフトのコンセプトの根本から覆してしまうかもしれません(汗)。とはいえ、ボク的にはたたいても曲がらないシャフト。データ的にはドロー系だったけど、見た目の弾道的にはややフェードしていたようにも見えました。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら。

【3球平均】

HS43.0m/s、初速61.2m/s、打ち出し角16.5度、バックスピン量2571.5rpm、サイドスピン-394.5rpm、飛距離245.7y

【ベスト】

HS43.2m/s、初速62.6m/s、打ち出し角15.4度、バックスピン量2518.5rpm、サイドスピン-662.3rpm、飛距離249.9y


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら。


続いてS+フレックスで、スペックは長さ45.25インチ、総重量313.4g、バランスD1.5。シャフトスペックは、重量67g、トルク3.0、中調子。振動数は259cpm。

手でしならせてみると、まあ、Sよりはややしっかり感がある感じかな。しなりポイントは真ん中辺り。ワッグルしてみると、ヘッドの動き方はSとほぼ変わらない印象でした。素振りしてみても、S同様シャープに振れそうな感じ。


実際に打ってみると、Sよりも全体的にピンピンした感じ。このシャフトのコンセプトである手元のタメ感は、このS+でも感じられませんでした。まあ、Sで感じられないのであれば、S+で感じられるはずもなさそうですけど…。ぶっちゃけ、しなり感はそれほど感じません。その分シャープに振れる印象ですが、ある意味ヒッタータイプ向けかな。少なくともアーリーリリースタイプにはオススメできない印象でした。弾道を見る限り、これもフェード系。ある程度スイングで球をつかまえられるタイプにオススメの印象でした。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら。

【3球平均】

HS42.4m/s、初速60.7m/s、打ち出し角16.3度、バックスピン量2629.1rpm、サイドスピン-379.3rpm、飛距離243.7y

【ベスト】

HS42.3m/s、初速61.4m/s、打ち出し角15.6度、バックスピン量2683.7rpm、サイドスピン-544.0rpm、飛距離245.1y


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら。


次はSR+フレックスで、スペックは長さ45.5インチ、総重量302.2g、バランスD1。シャフトスペックは、重量54g、トルク5.4、中調子。振動数は240cpm。

手でしならせてみると程よいしなり感でした。Sと比較してみても、「ん!? こんなに違うの?」といった感じ。しなりポイントは真ん中よりもやや手元側。ワッグルしてみると、しなりポイントからヘッドが動く感じで、素振りしてみるとコンセプト通り切り返しでタメを作ってくれそうな雰囲気でした。


実際に打ってみると、ボク的にはかなりグッドイメージ。ぶっちゃけ、S、S+とは「別モノじゃん」と突っ込みたくなるほどでした。ボクには切り返しの間のタイミングが取りやすく、すっと落として、そこからインパクトに向けてシャフトが過不足なく走ってくれるような感じでした。スカイトラックデータでも、このSR+だけが250yオーバーをマーク!! 弾道的にグングン伸びて飛んでくれるイメージでした。でも、冷静に考えると、このコンセプトにドンピシャだと、「自分がアーリーリリースなのか!?」とちょっと複雑な気分になったりして…ww


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら。

【3球平均】

HS42.6m/s、初速61.8m/s、打ち出し角16.1度、バックスピン量2691.4rpm、サイドスピン-125.1rpm、飛距離249.4y

【ベスト】

HS43.1m/s、初速62.5m/s、打ち出し角15.9度、バックスピン量2487.5rpm、サイドスピン-249.6rpm、飛距離252.7y


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら。


次はSRフレックスで、スペックは長さ45.5インチ、総重量300.3g、バランスD0.5。シャフトスペックは、重量52g、トルク5.6、中調子。振動数は233cpm。

手でしならせてみると、結構しなるイメージでしたね~! しなりポイントは真ん中よりもやや手元側。構えて右手親指に力を入れると、結構手元が緩そうな印象でした。ワッグルしてみると結構ヘッドが動く印象。素振りしてみると、SR+よりも全体的にしなりそうな気配も…


実施に打ってみると、イメージは悪くないです。切り返しのタイミングも取りやすかったのですが、SR+とは振り感が若干違うイメージもありました。SRはシャフト全体がムチのようにしなる印象で、つかまりがより良いイメージでした。自分的にはタメてたたくタイプと思っていますが、以前ほどタメが作れなくなっているのも事実。自分では感じていませんが、データを見る限り、芯ブレが減り、よりつかまりがいい結果になっていました。見た目の弾道でも、やっとドロー系です。SRモデルでやっとこのシャフトのコンセプトを体感できたか!?


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら。

【3球平均】

HS42.2m/s、初速60.2m/s、打ち出し角16.7度、バックスピン量2849.2rpm、サイドスピン-205.6rpm、飛距離241.1y

【ベスト】

HS41.5m/s、初速60.3m/s、打ち出し角16.8度、バックスピン量2846.7rpm、サイドスピン-244.6rpm、飛距離241.5y


弾道はこんな感じで


スカイトラックの弾道データはこちら。


最後はR+フレックスで、スペックは長さ45.0インチ、総重量287.3g、バランスC9。シャフトスペックは、重量47g、トルク6.2、中調子。振動数は227cpm。


手でしならせてみると、かなり柔らかめ。しなりポイントは真ん中よりもやや手元側。構えて右手親指にちょっとだけ力を入れただけでも、もう全体的な柔らかさを感じます!! ワッグルしてみると心許ない感じで、素振りしみても、しなり感タップリ!


弾道はこんな感じで


スカイトラックの弾道データはこちら。

データ的にスピン量がやや多めですが、弾道的には決して悪くない結果だったりしますね~!!


今回全モデル試打出来ましたが、「S」と「SR+」に大きな壁があって、「S+」「S」は結構ハードな印象でした。ボク的には「S+」「S」はコックが速めにほどけてしまうタイプはNGかなって。むしろ、ヒッターが左を気にせずたたけそうな印象でした。ボクが恩恵を受けられそうなのは「SR+」で、おそらくこのシャフトのコンセプトであるアーリーリリースタイプがインパクトまでの加速感を感じられそうなのは「SR」「R+」かなと思います。ただひとつ、確実に言えるのは、「曲がりが少ない」ってこと。これ、実戦で大事な要素ですよね! もう発売されているので、ぜひお試しください。

<スリリング「GEAR CHAN」シャフト>

■スペック(重量/トルク/調子):S+=67g/3.0、S=63g/3.4、SR+=54g/5.4、SR=52g/5.6、R+=47g/6.2/中調子

■価格:各1本6万円+税