どーもです。連日紹介してきたテーラーメイドの新製品「Qi10」シリーズですが、いよいよ今日紹介するアイアンが最後となります。アイアンは、なんと「Qi10」の1モデルのみ。「Qi10 LSドライバーやQi10ツアーFW&レスキューを使う方はPシリーズを使ってね」ということなのかな? そんな邪推をしてしまいました。何にはともあれ、早速いってみましょう。


まずは見た目から。


バックフェースは基調がブラックで、ちょっと精悍に感じました。バックフェース下部に結構なボリュームがある感じで、トウ側のバックにもボリュームゾーンが配置されているので、このアイアンも高慣性モーメントを意識したモデルでしょうね。

フェースはラージ。トウが立った感じに加え、リーディングエッジ&トップラインネック側の丸みから、結構な丸型フォルムに感じました。

ソール幅ですが、ラージフェースにしてはやや薄めにも感じました。

ネックはセミグース。かなり低深重心を意識した形状です。

構えてみるとこんな感じ。以前なら尻込みするようなロフトの立ち方です。でも、今の技術なら上がるので心配不要。こうしてみると見えませんが、バックフェース下部の厚みがチラチラと目に入るのが、個人的には苦手でした。

今回試打したのは、オリジナルスチールシャフト「NSPRO910GH」Sフレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角28度、ライ角63度、長さ37.25インチ、総重量412g、バランスD2。シャフトスペックは、重量105g、トルク2.0、先中調子。


試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽め。グリップもやや細め。スチールシャフトですが、手でしならせてみると、意外としなります。でも、オリジナルであろう「NSPRO950GH」よりも手元が太めに見えたけど…、気のせいかな? しなりポイントは真ん中よりも少し先あたり。ワッグルしてみると、スチールシャフトにしてはヘッドの振れ幅は気持ち大きめにも感じました。素振りしてみると、可も無く不可もなくで、ごく普通に振りやすそうな感覚でした。


実際に打ってみると、ロフト角28度のストロングロフトモデルですが、ボールはめっちゃ上がります。もはや、もうそういう時代ですね。個人的な好みですが、打感が硬いのがちょっと気になったところ。弾き感タップリで、球離れも速めの印象でした。そしてフッカーにボクにとって最も気になったのが、ヘッドの返り感。「Qi10」は高慣性モーメント(以下「ハイMOI」)を売りにしたモデルのはずですよね。これはあくまでもボクの感覚ですが、ハイMOIにするとフェースの開閉はしづらくなると思っています。だけど、この「Qi10」アイアンはインパクト前あたりで結構フェースがぐりんと返ろうとするような動きを感じて、フッカーのボクは「おっ!? ちょっと待って!」となってしまいました。その動きを抑えるようにインパクトまで手首の角度を変えないことを意識すると、いい感じでした。意識することはあったけど、結果的に打ち出し方向がそろい、飛距離的にもいい感じでした。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら

【3球平均】

HS38.9m/s、初速49.5m/s、打ち出し角19.5度、バックスピン量3880.1rpm、サイドスピン-687.7rpm、飛距離181.3y

【ベスト】

HS38.7m/s、初速49.3m/s、打ち出し角19.4度、バックスピン量3465.7rpm、サイドスピン-806.2rpm、飛距離183.9y


打感は弾き系。硬さを伴う弾き系で、球離れも速め。個人的にはあまり好きではないけど…。音は高音系。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックでデータはこちら


弾道的には高弾道。ロフト角を考えれば超高弾道ですが、もはやこれが当たり前かもしれませんね。スピン量は弾道の見た目でも分かるくらい少なめ。スカイトラック的には3800~4000rpmあたりでした。


出球傾向は、ボクのスイングで軽いドロー系。ただしこれは、前述通りスイングで「手首の角度をキープして」が条件です。つかまりについては、オートマチックにつかまる感じですが、ちょっとやり過ぎ感も否めないかな…


シャフトフィーリングと振り感ですが、「NSPRO950GH」に比べるとちょっと先が走る感じ。もしかしたら「ヘッドがぐりんと返る」感覚はシャフトとの相性もあったのかもしれません。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS40m/sあたりにオススメ。実際に打ってみて、確実に言えることは「Qi10アイアンではQi10 LSドライバー&Qi10ツアーFW&レスキューユーザーはカバーできない」ということ。これは間違いないでしょう。かといってハイMOIを売りにするモデルのアイアンとして、正直ボク的には疑問符がついたことも事実です。まあ、世のアマチュアゴルファーの7割がスライサーという話もあるので、オートマチックにかなり強烈につかまるアイアンは商売上ありでしょう。ここ最近打ったアイアンでは、ある意味特殊なアイアンですが、10年前には結構あったような気もしています。気になるのは、果たしてスライサーでもこの動きを受け入れてくれるのか? まあ、要らぬ心配ですけどね。皆さんにも実際に打っていただき、その感想をfacebookで聞かせていただけるとうれしいです。

<テーラーメイド「Qi10」アイアン>

■KAZ'sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9▽上がりやすさ:10▽操作性:7▽構えやすさ:8▽打感の柔らかさ:8▽ミスの許容度:9

■ヘッド:【#4~8】ステンレススチール(450SS)【#9、PW、AW、SW】スレンレススチール(431SS)

■シャフト(重量/トルク/調子):スチール「NSPRO910GH」(S=105g/2.0/先中調子)。「NSPRO820GH」(R=97g/2.4/先中調子)。カーボンシャフト「Diamana BLUE TM60」(S=68g/2.8、R=60g/2.4/中調子)。

■価格:スチールシャフト装着モデル5本(#6~PW)セット12万6500円、単品(#4、#5、PW、SW)各1本2万5300円。カーボンシャフト装着モデル5本セット14万3000円、単品各1本2万8600円。 ※価格は税込み