プロ4年目の新海美優(21=広島CC)が、首位と4打差の通算7アンダーの2位につけた。3アンダーの8位で出るとボギーなし、4バーディーの68で回り、第1日の69に続く60台をキープし、ツアー初優勝に望みをつないだ。4アンダーの2位で出たテレサ・ルー(29=台湾)が65をマーク、通算11アンダーまで伸ばし単独首位。3位には葭葉ルミ(24)と姜秀衍(41)が通算6アンダーで並んだ。

 好調パットが躍進の原動力だった。前半の好機に3連続を含む4バーディーを奪った新海が後半は強風に苦しんだ。ショットがラフに入り、パーオンは16番のみ。残り8ホールはすべて1パットでパーセーブした。2~3週前から得意のフックラインが決められず、パターも変更。グリーン上で悩み続け「パットが入らない夢も見てきた。こんな感じで打てたのは初めて。今日は久しぶりに見なくてすみそう」と苦笑。悪夢を払拭(ふっしょく)した手応えを口にした。

 宗方小3年だった9歳の時、ハンディ4の父洋美さん(75)と宮崎を訪れ、ツアー選手権リコー杯に出場していた宮里藍に憧れた。「たくさんのギャラリーを連れ、すごく格好良く見えた」とゴルフを始めた。連日、父から受けてきた個人指導がベース。そろばん3段の実力で暗算が得意のため、ヤーデージ計算が速く、キャディーに舌を巻かれるほどだ。

 首位のテレサ・ルーとは4打差で初優勝の道は簡単ではない。「明日もテレサさんは伸ばすだろうけれど、私も伸ばしていきたい。父に良い報告がしたい」。父の日となる最終日も、復調パットで貪欲に攻め続ける。【藤中栄二】

 ◆新海美優(しんかい・みゆ)1995年(平7)11月14日、大分市生まれ。宗方小3年の9歳の時にゴルフを始め、同6年時にJGA九州小学生選手権優勝。賀来小中-大分高と進んだ後、広島CCで研修生となり、14年にプロテスト合格。得意クラブは9番アイアン。好きな色はネイビー。家族は両親と弟。162センチ、58キロ。血液型はO。