石川遼(26=CASIO)が7バーディー、1ボギーの今季国内自己ベスト66をマークし、通算6アンダーの210で首位と5打差の7位に浮上した。スイング改造に踏み切ったこともあり、国内復帰から5試合連続予選落ちを喫するなど苦しんできた。復調傾向のショットにピン型を投入したパットがかみ合い、史上最年少でのツアー通算15勝目も狙える位置につけた。

 石川がしみじみとつぶやいた。「ゴルフって、面白いなと思いますね。2、3週間前まで7オーバーとか5オーバーとか打っていた選手ですから」。見た目にも大きな変化はグリーン上に表れた。朝の練習から迷わずピン型を選択。前日のホールアウト後、真っ暗になるまで打ち比べてたどり着いたひらめきだった。

 現在のエース、L字マレットを長年使ってきたようにパターには“頑固”なタイプ。今週、テストのため契約メーカースタッフに持ってきてもらったパターは10本以上。「音が出る」「エースより飛ぶ(よく転がる)」という2点の厳しい審査を唯一クリアした、10年ほど前のモデルだった。後半3つのバーディーはいずれも4メートル以上を沈め「長年L字を使ってきたストロークの矯正も含めてだったけど、よりオートマチックに打てる。“初対面”なのによく頑張ってくれた」とうなずいた。

 パターが際立ったのも、スイング改造が段階的に進み、懸案のショットに安定感が出てきたからこそ。この日も7番でトライしたように、ロングホールでの連日の「直ドラ」も、ドライバーの内容が充実してこなければあり得ない攻め方だ。「『石川遼はどこまで悪いんだ』と、いろいろな方に心配をおかけした。自分の中では、結果を求める時期じゃないと覚悟してやってきた。予選落ちしてしまった試合も含め、全ての試合が1日でもなかったら今はないと思う」と言った。

 小さくない5打差だが「この位置で、自分が今取り組んでいることをやってみたい。(緊張感の中)どういうスイングをするのか楽しみ。それで優勝争いもできたら最高です」。26歳70日での通算15勝目なら、中嶋常幸(28歳333日)を上回るツアー最年少記録となる。【亀山泰宏】