2020年の男女ゴルフツアーが新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、開幕戦からストップしている。ここまで中止、延期となった各大会の名場面を振り返ります。

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▽2019年(令元)大会(6月21~23日、千葉・袖ケ浦CC新袖)

鈴木愛が大会2連覇を、自身初の2週連続優勝で決めた。通算9アンダーの207でプレーオフに突入したが、黄金世代の高橋彩華を1ホール目で退けた。18年大会も申ジエ、テレサ・ルーという歴代女王との争いを2ホール目で制し、2年連続でプレーオフの末の優勝。ツアー通算12勝目を挙げた。

3位で出た最終日の11番パー3で仕掛けた。ピンは左に切られ、同組で回った第2ラウンド首位の高橋、同2位の比嘉真美子は、安全策でグリーン右を狙った。鈴木は「同じでは勝てない」と、強気に左を狙った。結果としてグリーンを外したが、3ヤードを残した第2打を3メートルに寄せてパーセーブ。「逃げないで攻めていこうと思った。12番から流れが良くなった」。残る7ホールでスコアを1つ伸ばしたこと以上に、強気の姿勢が、初優勝を狙って第1日から首位を守り続けていた高橋に重圧をかけた。12番からの7ホールで、スコアを1つ落とした高橋との2打差を追いつき、プレーオフに持ち込んだ。

勢いそのままに、プレーオフは1ホール目で決着をつけた。パー5で相手が第1打を左の林に打ち込み、はね返ってラフに入れたのとは対照的に、しっかりとフェアウエーをとらえた。パーの相手に対し、2オンの鈴木は、10メートルのイーグルパットこそ外したが、バーディーで勝負を決めた。この年3勝目で賞金ランキングトップに躍り出たが「1位よりも2週連続優勝は今までなかったのでうれしい」と、声を弾ませた。

苦手だったプレーオフも、これで3勝4敗とした。うち2つがニチレイ・レディースでの勝利。「メンタルが強くなった」。昨年の終盤戦、渋野日向子との賞金女王争いを制した、勝負強さと自信を積み上げた大会となった。

■過去5年の優勝者

15年 申ジエ(韓国)

16年 申ジエ(韓国)

17年 テレサ・ルー(台湾)

18年 鈴木愛

19年 鈴木愛