ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第13回はキャロウェイ契約の河本結(21=リコー)。

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昨年3月のアクサ・レディースで、ツアー初優勝を飾った黄金世代の一角は、今季から主戦場を米国に移した。その米ツアー初戦は8位。世界でも通用する実力を証明した。世界的にツアーが中止、延期となっている現在は凍結されている世界ランキングは、日本人女子5番手の62位。これを来年6月までに15位以内に上昇させ、延期となった東京オリンピック(五輪)の出場権を、自力で勝ち取ることが目標だ。

ドローやフェード、弾道の高低など、高い精度でさまざまに打ち分ける。現在は日体大4年で学業とも両立。キャロウェイの担当者は「ゴルフノートを丁寧につけているなど、かなり緻密に考えて取り組んでいる」と明かす。勤勉な性格が、一昨年はステップ・アップ・ツアー賞金女王、昨年はレギュラーツアー賞金ランキング6位と、成長に導いていると分析する。

河本は「マーベリックドライバーはミスヒットに強く、当たり所に関係なく初速が速い」と話しているという。ショットメーカーとして、新しいドライバーを武器にミート率を上げ、より良い条件でグリーンを狙い、結果を残すための準備をしている。担当者は「クラブのスイッチは基本、オフシーズンにじっくりと時間をかけて行い、シーズン中は試合に集中」と、慎重な性格の一面を明かした。

その河本は今季、ドライバーを新製品に変えた以外は、昨季と同じクラブセッティングで臨んでいる。クラブへの信頼度の高さが、米ツアーと東京五輪への挑戦へ、少なからず背中を押していた。【高田文太】

◆河本結(かわもと・ゆい)1998年(平10)8月29日、松山市生まれ。5歳で競技を始め、松山聖陵高を経て現在は日体大体育学部4年。18年にプロテスト合格。同年のステップ・アップ・ツアーは12試合出場で4勝し、賞金ランキング1位。19年からレギュラーツアーに本格参戦し、3月のアクサ・レディースで初優勝など賞金ランキング6位。趣味は映画観賞、カラオケ。163センチ、58キロ。

<河本結のキャロウェイ契約クラブ>

▼1W=マーベリックMAX(ロフト角9度、シャフト=フジクラスピーダー569 エボリューション4、硬さSR、長さ45・75インチ)▼FW=ローグスター(3W15度、5W18度)▼ユーティリティー=XR OS(3U19度、4U22度)▼アイアン=エピック フォージドスター(5I~PW)▼ウェッジ=マックダディ フォージド(48、52、58度)▼パター=オデッセイ トゥーロン・アトランタ▼ボール=クロムソフトX TT