2季連続賞金女王を狙う鈴木愛(26=セールスフォース)は、悔しさを押し殺して、勝者をたたえた。

プレーオフ1ホール目の18番パー5。自身はパーでホールアウトした直後に、渡辺がバーディーパットを決めた。優勝を逃した直後だったが、すぐに拍手で渡辺を祝福すると、ハグをした。新型コロナウイルス感染症対策で、接触を控えるよう通達されていたが、女王自ら両手を広げて渡辺に近づいた。ゴルフのある日常が戻ったとアピールした。

それでも内心は穏やかではなかった。会見では開口一番「勝てないと意味がない」と、険しい表情で話した。5バーディー、1ボギーの68で回り、通算11アンダーの277。第2、3ラウンドで池につかまり、大たたきした鬼門の9番パー3でティーショットをグリーンに乗せた際には、小躍りして喜んだ。だが「あれさえなければ勝てたかな」と、12番パー4でこの日唯一のボギーをたたき、流れを失ったことを敗因に挙げた。「本来、優勝を争うようなゴルフじゃなかった」と、ショットが安定せず、自身にいら立っていた。

次戦は未定で、最速でも1カ月半後のNEC軽井沢72となる。海外ツアー参戦の可能性を問われると「ほとんどの確率でない」と断言。雪辱の舞台は国内での再開2戦目に定まっている。【高田文太】